影絵の木の葉 - フリーゲーム/RPG等のレビューと感想

 ゲーム評論家(自称)がゲーム全般・フリーゲーム・音楽・文学などについて、熱っぽく本音で語っていきます。自分に嘘はつけない。

自選レビュー

  • 【長めレビュー】『グリム・ディエムの冒険録 あるいは忘れられた海の底で』中編RPG。海底からの脱出は、同時に旧来のものからの脱出だったのかもしれない
  • 『ザ・スクールジャック』人生の落後者が旧友七人を殺害するために学校を襲撃するRPG
  • 『ワールドピース&ピース』痛みと再生の物語。大長編の大名作RPG
  • 『アリスの標本箱』孤独の中での哲学的思索と、DQ3ライクな冒険の中編RPG
  • 『グスコーブドリの伝記』宮沢賢治の同名小説をもとにした短編ADV

【長めレビュー】『グリム・ディエムの冒険録 あるいは忘れられた海の底で』中編RPG。海底からの脱出は、同時に旧来のものからの脱出だったのかもしれない

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おすすめ度:殿堂入り
プレイ時間:8時間程度


 懐かしい感じのグラフィックですね。実際にやってみたところ、古き良きRPGのエッセンスを継承しながら、洗練が必要な部分は洗練されている、という印象を受けました。

ストーリーも少年の冒険譚でありながらも、それだけには留まらない。そこには様々な葛藤がある。戦闘システムもシンプルかつ面白い。マップもきれいで、音楽もいい。戦闘ではキャラクターがアニメーションします。ユーザー投票企画、フリゲ2016でも多数の票を獲得。

ストーリーとそのあらすじ

世界を冒険する冒険者、グリム。
新大陸へ行くために船に乗り、海を渡っていたところ
嵐に巻き込まれ海へ落ちてしまう。
目をさますとそこは薄暗い海の底の洞窟。
グリムはそこで出会った少女とともに海底洞窟からの脱出を試みる。
公式サイトより引用)

 常にストーリーの先が気になって楽しかった。世界の成り立ち、自分たちの行く末、ミステリアスで無口な少女、そして主人公の出自……色んな「謎」が少しずつ明らかになっていく。

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ゲームシステム

 戦闘システムは、シンプルな2vs1のサイドビュー。キャラクターの下に表示されているゲージが満タンになると行動できます(FFのようなATBではないのでゆっくり考えられる)。本作にはレベルという概念はなく、特別な敵を倒す等で入手できる「黄の楯」というものをステータスごとに配分します。これはいつでも自由に振り直しが可能です。敵に合わせたステータス配分を行うことがカギになってくるでしょう。

 私は難易度(3段階から選択可能)「普通」でプレイしましたが、ボスはなかなか手強かったです。私の探索が甘いのか(黄の楯)、戦略が悪いということも考えられますが、若干相手の行動やクリティカルの運に左右されているという感じもしました。しかし、理不尽というほどでもないでしょう。むしろ試行錯誤が楽しい。

 公式サイトのQ&Aにもゲームのヒントがあります。

総評

 エンディングを見た時点での本作の率直な感想としては、ストーリー良し、ダンジョン良し、戦闘良し、グラフィック良し、音楽良し……という非常に満足度の高いものでした。かなりの傑作RPGだと思います。

 ただ、唯一気になったのが一番最初のダンジョンです。このダンジョンだけ、「比較的迷いやすく、しかも敵とのエンカウントが多め」というものになっていたと感じました。他のダンジョンでは、それほど迷いやすくもなく詰まりやすいギミックもなく、敵シンボルも十分に回避する余地があると思うのですが、最初のダンジョンでは狭い道に敵シンボルがいて回避するのがとても難しく、しかもダンジョンを結構歩き回らないと先に進めない、という状況になっていると思います。他の部分はプレイアビリティによく配慮されているのに、この部分だけが少し浮いているような感じがしました。

 本作が優れた作品だという評判を知っている方なら問題なく許容範囲だと思います。他のゲームと比較してもそんなにいちいち指摘するほどのことでもないのかもしれません。ただ、評判を知らずに本作を30分~1時間程度プレイした人は「ずっとこの調子が続くのか…」と判断し、忙しい生活を送る方の中には投げる人がいるかもしれません。「それはもったいない。先に進めばそういうわけじゃないよ、すごく楽しいよ」ということを伝えたかったので一応触れておくことにしました。この程度の小さなことが気になった点として挙がってくること自体、本作が優れているということでもあるのかもしれませんが。

『グリム・ディエムの冒険録 あるいは忘れられた海の底で』のダウンロード(フリーゲーム夢現)

【こちらもおすすめ】
懐かしい感じのグラフィック・2vs1のシンプルで面白い戦闘繋がり:『リリアン・クー』暖かく優しい世界。しかし厳しさや切なさから目を逸らしてはいない。戦闘も骨太な、ほのぼのお散歩RPG
テンポが良くわかりやすい戦闘・細やかな演出とアニメーション繋がり:『かはたれどき+』(「エターなった定食」より)美麗なドット絵アニメと心を打つ物語の短編RPG

長めのネタバレありレビューと感想(要注意)

 以下、本作のストーリーの重大なネタバレを含みます。未プレイの方はご注意ください。
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『ザ・スクールジャック』人生の落後者が旧友七人を殺害するために学校を襲撃するRPG

WS000100おすすめ度:★★★★★
プレイ時間:5時間程度(ノーマルモードでクリアまで)


 犯罪小説(有名どころでは、東野圭吾『さまよう刃』・貴志雄介『青の炎』・ドストエフスキー『罪と罰』)のように、スクールジャックを行うコンプレックスにまみれた犯罪者の犯行を追体験できるゲーム。過去の事件を元ネタにした不謹慎なイベントや、人によっては気分が悪くなるようなイベントが満載されているので、とても人を選ぶ作品。そういった表現が苦手な方はプレイしないほうがいいかもしれません。しかし、不謹慎な一発ネタ的な作品ではなく、ゲームシステムはとても作りこまれているし、キャラクターの心情も掘り下げられています。
(不謹慎ネタはフリーゲームの古典的題材。タシロギアソリッドとか麻原の野望とか遠い昔にやったなぁ…。「っていうか、ラサイト」のFlash作品[今はHarasaitoで見られるようだ]とかも非常に人気があったし、当時の雰囲気が懐かしいね)

ストーリー

 主人公・亜冨丸 呈朗(あふがん てろう) は、17歳の少年で高校に進学せず自堕落な生活を送っていた。ある日、楽しそうに談笑し、自分を馬鹿にしている中学生時代の旧友・男女7人グループに出会う。本当ならば、自分もあの中にいたのかもしれない。友達と楽しげに話したり、未来に向かって勉強やスポーツを頑張ったり、もしかすると恋人もできたりするかもしれない、そんな"普通"の高校生活。今の自分の生活との圧倒的対比。呈朗の胸を焼く、燃えたぎるような嫉妬と疎外感。しかし今さらどうにもならないという無力感と絶望感。どうすればいい? 自分の前途に希望などない。ああ、そうか、あいつらを物言わぬ屍に変えて自らはカリスマ的アンチヒーローとして見下ろしてやればいいんだ。「スクールジャック」だ――殺してやる。

ゲームシステム

 不謹慎な一発ネタ的な作品ではなく、ゲームシステムがしっかりと作りこまれた骨太な作品です。ジャンルは作者様に倣ってRPGとしましたが、探索ADV的な要素も大きいです。難易度は3段階から選択でき、私は中間のノーマルモードでプレイしましたが要領がつかめるまではなかなか難易度が高いと感じました。
 まず、持ち込むアイテムを初期資金の範囲内で購入し、犯行現場の学校へと向かいます。学校内は呈朗の登場により阿鼻叫喚の地獄絵図の様相を呈していますが、生徒たちは決死の抵抗を試みています。その中で生徒たちを殺してアイテムを奪ったりしながら旧友七人の殺害を目指すのですが、前途には様々な障害・豊富なイベントがあり、それらをアイテムを駆使して乗り越えていきます。そのアイテムに関して「クロスカップリング」という特徴的なシステムがあり、アイテムを組み合わせて新たなアイテムを工作できます。また、「CB」というアチーブメントシステムがあり、ゲームの進行度やイベントの発生等により報酬を獲得できます。時間経過によって、状況・キャラクターの行動の変化という要素もあります。
 繰り返しのプレイが前提されており(条件を満たせば5個までアイテムを引き継げる)、最初は学校で起きている状況がわからずにすぐに返り討ちにあってしまいますが、繰り返しているうちに犯行が洗練されていき、さながら優秀なサイコパス、シリアルキラーの犯行を追体験しているような感覚が魅力的でした(しかし、呈朗の心は異常というよりどこまでも人間的)。また、犯行前に行うBGMの選択が高揚感を煽ってくる。

『ザ・スクールジャック』のダウンロード(VIPRPG紅白2014、要RPGツクールVX RTP

さまよう刃 (角川文庫)
東野 圭吾
角川グループパブリッシング
2008-05-24

 『さまよう刃』の主人公も連続殺人を行うが、その理由や心情は多くの人の共感を得るものであると思う。文庫版で499ページの作品であるが、展開や主人公の心情にぐいぐいと引き寄せられ、どんどん読み進めてしまうような小説だった。

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)
ドストエフスキー
岩波書店
1999-11-16

 歴史に残る文学作品の『罪と罰』は、犯罪小説としても知られる。私も先日紹介した『ワールドピース&ピース』をきっかけに再読しているが、犯罪者の心情がこれでもかというくらい克明に描き出されている作品だ。熱病に浮かされたような犯行直後の状態や、心理的な圧迫により自分が意図しない言葉を発してしまうような様が印象的である。江川訳と中村訳を読んだことがあるが、今回紹介した江川訳が読みやすくて個人的にはお勧め(普段本を読む習慣のある方なら、文学と身構えずに読んでいけると思う)。

[ 今日のひとこと ]

 フリーゲーム制作に関する話の続きですが、作品についての感想がもらえなさすぎると自分の作品の美点・欠点や失敗が十分に洗い出されず、どこが良くてどこが悪いのかよくわからず、同じ失敗を繰り返してしまうということにもなりかねない、という状況があります(私も過去に経験がある)。なので私も、作者の利益になるような建設的批判をもっとできたらいいなとも思っています(根拠に乏しい的外れな誹謗中傷を書き込むことは小学生でもできるが、精密な建設的批判を行うコメントを書くのはとても難しい。まだ私の力量ではなかなかできない)。これを読んでいる方も、プレイしたフリーゲームについてのフェアな感想を作者の方に届けて頂ければ、それは大きな制作の原動力になることでしょう。

 攻略情報はネタバレを含むので、続きを読むから。
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『ワールドピース&ピース』痛みと再生の物語。大長編の大名作RPG

WS000941おすすめ度:殿堂入り
プレイ時間:60時間~

(私の最終セーブは66時間21分。序盤、雑魚敵がやや硬いと感じたのでVERY EASYに変更し、終盤で敵があまりに弱いと感じたのでNORMALに戻した。そしてストーリーはとてもじっくり味わって、このプレイ時間の大長編。戦闘やダンジョンをスキップし、ストーリーのみを楽しむ機能もある)

ネタバレありのWPP長文感想はこちらWPP私選名言集(暫定版)はこちら

 フリーゲームで大長編と言えば、まず『Seraphic Blue』が挙がると思われるが、本作『ワールドピース&ピース』はセラブルと肩を並べるクラスの作品(ストーリー性、ゲーム性にも近しいものを感じた)である。ここまで書けば、往年のフリーゲームファンの方には十分魅力が伝わったと思うので、私の記事を読むよりも先にダウンロード(『ワールドピース&ピース』のダウンロード、公式)し、プレイを開始することをお勧めする。そうでない方に向けても記事の続きを書いていこうと思う。

ストーリー

WS000499 本作最大の魅力はストーリーにあると思う。ネタバレにならないように、本作の傑出したストーリーの魅力をどうすれば伝えられるかと考えると言葉に迷うが力を尽くしたいと思う。
 魔女と人間が対立する中世ファンタジーな世界が舞台。その中の人里離れた場所で主人公・魔女トレスは、パートナーの喋れる箒「ホウキ」とともに薬を売って生活していた。飛べなくなったことで劣等感を持つ「ホウキ」とトレスの間には諍いがあった。そして"氷の魔女"を名乗る謎の存在は、「不条理のゴミ箱」なる場所から「ホウキ」に対して仲間になるように呼び掛ける。ある日、魔女と人間の戦争が始まるということを知ったトレスは、料理屋を営んでおり心の支えでもある人間の親友・リーズに会いに行くため王都へと向かう。
 そして、重い雨が降りしきる中、総勢二十名以上のキャラクターが織り成す群像劇が動き出します。登場人物たちは、皆色んな想いや痛み・復讐心を抱えています。彼らの心情はとても丁寧に描写され、痛切な想いがよく伝わってきます。しかしそれだけではなく、彼らはもがき苦しみながら希望へと向かってゆっくりと歩いていきます。登場人物たちの心の交流によるその過程が、非常に繊細に、じっくりと描かれています。
 また、本作は鋭い批判性を持っています。「綺麗事」を語る人間が繰り返し厳しく糾弾されています。これもとても魅力的だと感じました。
 私がシリアスさ・重さばかりを強調してしまっているのかもしれませんし、確かにそういう部分が多いと思いますが、非常に元気や勇気をもらえる作品でもあります。

ゲームシステム

WS000496 またゲーム性については、行動ごとに決まる確率次第で連続行動できるRPG的戦闘の「プログレッションバトル」、シミュレーションRPG的な「シミュレーションバトル」、アクションRPG的な「アクションバトル」の3つのゲームモードがあり、とても長い作品でありますがプレイヤーを飽きさせません。

 難易度もNORMAL,EASY,VERY EASYから選択可能で、ストーリーのみを楽しむダンジョンスキップ機能も搭載されているので各自の好みに合わせて調整することができます。どのゲームモードも、難易度NORMALだとなかなか歯ごたえがあり戦略的な対応を求められ、考える楽しみがあります。

WS000501 さらに、中心的位置を占める「プログレッションバトル」においては、戦闘などで得られる「I.C.S.ポイント」を消費して新たなスキルを習得したり、戦闘を有利にする「イレギュラー」や「カード」などをある程度好きな順番で獲得できる成長要素があります。

 長くなりましたが以上で、WPPの紹介を終わります。ネタバレありのWPP長文感想はこちらWPP私選名言集(暫定版)はこちら

『ワールドピース&ピース』のダウンロード(公式)

こちらもおすすめ
同じ作者さん繋がり:『リリアン・クー』暖かく優しい世界。しかし厳しさや切なさから目を逸らしてはいない。戦闘も骨太な、ほのぼのお散歩RPG

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)
ドストエフスキー
岩波書店
1999-11-16

 本作にも大きな影響を与えたと思われる歴史的文学。私も10代の頃に途中まで読み、本作をプレイしたのをきっかけに最近また読んでいます。現在上巻を読み終えたところ。

『アリスの標本箱』孤独の中での哲学的思索と、DQ3ライクな冒険の中編RPG

WS000017おすすめ度:★★
プレイ時間:8~10時間程度
 ツクール2000製。VIPRPG作品ですが、VIPRPGの世界観を知っていなくてもおそらく楽しめます。知っていたほうが楽しめます。

 「ドグマの箱庭」「引き裂かれたバダール」「アリスの標本箱」「ポイズン・セレクション」「シューニャの空箱」からなるドグマシリーズの第三作。

 私は、「空箱」→「バダール」→「アリス」の順番でプレイしましたが、十分楽しめました。

WS000010 主人公パーティは左の画像のように、「ポイズン」「カオル」「レナックス」「ウィンディ」。
 ストーリーは、王様に生活保護を打ち切られたポイズンがやむを得ず旅に出るという内容。明確なストーリーラインに沿って冒険が進むのではなく、DQ3のように攻略順にある程度の自由度があります。と言っても決してストーリーが薄いわけではなく、街を訪れるたび、物語はドラマチックに展開していきます。
 また、このゲームのストーリーを支える重要なファクターは、村人に話しかけた時やアイテムを宝箱等から発見した時にパーティのキャラクターが喋ることだと思います。これがとても楽しく、「一緒に冒険してる感」がよく出ていると感じました。

WS000012 ゲーム性に関しては、DQ3のように自由に広い世界を冒険できるところがとても楽しいですね。「広い」と言っても適度な広さで必要以上に迷ったり、どこにいけばいいのかわからなくなるということはほぼありませんでした。また、辺境の地のほこらで老人が離す孤独な思索を聞いたり、本棚を調べるのがとても楽しかったです。
 戦闘バランスの調整は見事としか言いようがないです。ツクール2000のデフォルト戦闘であることを忘れさせるようなテンポの良さ・面白さでした。特に敵の硬さや、味方のスキルを習得するレベルの調整は絶妙だと思います。敵を倒してレベルアップし、新しい技を覚えて次の町へ。そして装備更新という王道な流れの楽しさが存分に引き出されていたと思います。

WS000013 モンスターグラフィック(右の画像)もすべてオリジナルで、独特の(喪男板的・エログロな)雰囲気を醸し出しています。

 めちゃ面白かったです。今からクリア後のダンジョンに行ってきます!

『アリスの標本箱』ダウンロードページ(VIPRPG紅白2013)

簡単な攻略とメモ(ネタバレなので反転)
・さいはての風の地のオーブは世界地図に表示されていないが、左上の端っこにある街にある(序盤で近くまでいくが、忘れがち)。
・世界地図に表示されていないもう一つの島は、右下の端にある。そこのモンスターは強いので終盤にならないと倒すのは厳しいが、倒すと高確率でドーピングアイテムを落とす。
・ラスボスはカオルにポテチと交換でもらえる二回攻撃の剣と伝説の剣を装備させると楽に倒せました。ウィンディもいい火力が出ますが、もろいので割と死んでました。蘇生させてもニュークリアでまた死ぬので…。あと、素早さアップの魔法で敵に先制して回復できる状態にするのも有効です。あと、レナックスがレベル30で全体回復魔法を覚えるのであると楽になると思います(なくても倒せましたが)。


 本作に関連して、おすすめの哲学書等を紹介したいと思います(私も若いころ、よく哲学書を読んでいました。わからない部分が多々ありましたが)。



 「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」(空箱の紹介SSにも出てくる、本書の締めくくり)
野矢茂樹さんの本はこの本に限らず面白いのですが、とくにおすすめなのはこちらですね。

国家〈上〉 (岩波文庫)
プラトン
岩波書店
1979-04-16


 哲学書の原典は普通の頭脳しか持たない人にはあまりにも難解過ぎると思います。私も何冊か読みましたがほとんど理解できず、自分の血肉とならなかったので内容をほとんど忘れてしまいました。しかし、プラトンの『国家』は別です。対話形式なのでとても読みやすく、また内容も深遠だと思います。(ほかの古代ギリシア哲学の著作にも言えることだと思いますが。)

<どうでもいいあとがき>
 ハースストーンにはまりすぎてフリーゲーム界を離れていたので約一年ぶりの更新となりました。これからはまた定期的に更新を続けていきたいと思っています。

『グスコーブドリの伝記』宮沢賢治の同名小説をもとにした短編ADV

WS000327おすすめ度:★★★
プレイ時間:2時間程度

宮沢賢治の同名小説(童話)をもとにした短編アドベンチャー。著作権が切れた名作文学をゲーム化するというアイデアがまずいいですね。

ゲームの主人公は「グスコーブドリ」という名の少年(略してブドリ)。イーハトーブの大きな森の中で生まれ、三歳年下の妹「ネリ」とともに、森を遊び場として幸せにすくすくと育っていた。父親は「グスコーナドリ」といい、あたりでは名高い木こりだった。

ところが、ブドリが10歳になった年にはじまった冷害で、事態は一変する。二年続きの冷害による飢饉の中、両親は二人の子どもを残して姿をくらませてしまう。さらに、妹のネリは籠を背負った正体不明の男に連れ去られ、ブドリは森の外れまで男を追いかけたものの、力尽きて倒れてしまう。(ベクターレビューより)
私は今まで宮沢賢治の小説を読んだことが無かったので、本作をクリアした後に原作小説(青空文庫)を読んでみたのですが、作者様が苦心されて実に見事にゲーム化されたのだなと感じました。特に印象深かったのが、ラストシーンです。原作だとラストシーンは短めの文章で余韻を残すような童話らしい描き方がされているのですが、本作では探索したり、戦闘シーンがあったり、回想があったりと時間感覚が長めになっています。ここは作者様の工夫であり、よい効果をもたらしていると私は感じました。また、作品世界を取り巻く豊かで美しい自然などもよく再現されていると思います。普段ゲームをしていてもなかなか体験できない独特の味わい深さがあるのでおすすめの一作です。
 
同じように宮沢賢治の同名小説をもとにして作られた蜘蛛となめくじと狸も続けてやっていきたいと思います。

本作のダウンロード 


注文の多い料理店 (新潮文庫)
宮沢 賢治
新潮社
1990-05-29

 
書いている人
konoha
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 「満たされない人生に、ゲームでささやかな楽しみと癒しを」をテーマに発信しているブロガー。

 他には好きな本・音楽等とも全力で向き合う。ニコ生と某掲示板ばかり見ている病的な人物。
 息苦しい国だけど、マイペースに、人どうしの違いを大切に。

嫌いな言葉は「明るく」「協調性」「頑張る」。学校が嫌いだった。

その他、詳しいプロフィール


初めての方へ→多様なジャンルから、当ブログのおすすめ記事を29本厳選した。

note [毒々しい創作関連]もやってます。
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