影絵の木の葉 - フリーゲーム/RPG等のレビューと感想

 ゲーム評論家(自称)がゲーム全般・フリーゲーム・音楽・文学などについて、熱っぽく本音で語っていきます。自分に嘘はつけない。

短編

  • 手軽に!クリアまで約1~2時間の短編おすすめフリーゲーム10選
  • 【フリゲ】『血の穢れを乗り越えて・・・』小説のような独白調の繊細な文章が光るシリアスな短編RPG(第9回ウディコン物語性4位)
  • 【フリゲ】『冒険者35歳』手軽なSLG 老いの悲哀と人生の意味は?(第9回ウディコン総合8位)
  • 【感想・レビュー】『さらばケゴール島』 病とは?正常とは?世の中に対する箴言集(掌編デフォ戦RPG)
  • 【感想・レビュー】『StarLight☆Mountain』 カジュアルにもディープにも楽しめる一筆書きパズル

手軽に!クリアまで約1~2時間の短編おすすめフリーゲーム10選

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なかなか長編に手を伸ばせなくなっている方や、さくっと短編を遊びたい方へ。

NAVERまとめ等とは違い、全作品、私が実際にプレイした中からおすすめを選んでいます。過去にこのブログで書いたレビュー記事の短編のまとめでもあります。

他のサイトで見飽きるくらい紹介されているような定番を外したセレクトになっているので、良いゲームとの新たな出会いがあるはずです。


もくじ
  1. RPG(6作品)
  2. パズル(2作品)
  3. シミュレーション(1作品)
  4. ADV(1作品)
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【フリゲ】『血の穢れを乗り越えて・・・』小説のような独白調の繊細な文章が光るシリアスな短編RPG(第9回ウディコン物語性4位)

ヴァンパイアの純血種は封印から目覚め、人間と出会った。

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おすすめ度:★★★

プレイ時間:2~3時間程度

付属の説明書より。
■ゲーム概要■
・シリアスとライトな雰囲気を織り交ぜたRPG
・人間とヴァンパイアを題材にしたストーリー
・主人公の内面描写が多い
・エンディングは一つ

『血の穢れを乗り越えて・・・』の一番の特徴は、独白調の文章が多めで、小説みたいなRPGだというところだと感じた。繊細に内面が描写されているし、ストーリーの構成も練られていると思った。音楽もシーンに合っている。

ただ、気になった点もある。一つは、グラフィック面の弱さだ。
マップチップは文章が織り成す世界観に対して素朴過ぎて、あまり合っていないように感じられた。マップの組み方自体も、荒削りというか、雑さがあるように見えるところが割とあった。とくにフィールドが殺風景だと思った。

もう一つは、戦闘のレベルデザインだ。
序盤はレトロゲームのように、フィールドの雑魚敵に全滅させられることが割とよくある。しかし、味方がすぐ強くなるので、中盤以降はほとんどの敵を瞬殺できてしまい簡単すぎる状態になってしまう。
せっかく、サブクエストとか福引きとか寄り道の要素もあるし、育てたキャラクターとか装備を活かせるくらいに敵の強さを設定してほしかったと思った。

そして、主人公のMPが宿屋や市販のアイテムでは回復しないというシステムも、あまり生かされていないと感じた。MPは「サクリファイス」を使って戦闘中に回復する必要があると言うだけで、MPの管理が重要になるような戦闘自体がなかったと思う。

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(戦闘画面。オーソドックスなシステム)

このように、荒削りさが見える部分があるにせよ、途中でプレイを放棄しようとは全く思わないくらい、ストーリーとテキストが面白かった。
文章量は多めだと説明書にはあったけど、複雑な語彙や難解な表現は出てこないので、身構える必要は無いと思った。これは個人的な好みかもしれないけど、もっと多くても全然問題ないと思った。続きを読む

【フリゲ】『冒険者35歳』手軽なSLG 老いの悲哀と人生の意味は?(第9回ウディコン総合8位)

老いて体力が衰えていく冒険者。何を求め、何を残せるか。そして人生の意味とは。

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おすすめ度:★★★★☆
プレイ時間:1回、20~30分程度(エンディングがいくつかある。不思議と何度もやりたくなる)

ゲームにおいて、冒険者は若く前向きで、希望に満ちて、これから何かを探し求めていく役割が与えられることが多いと思います。しかし、この『冒険者35歳』では事情が全く違います。

主人公は35歳を迎えたものの思うような結果は出ず、無名であり、かといって違う仕事を探すこともできずに惰性で冒険者を続けています。そして「自分の人生はこのままでいいのか?」「何かを残したい。人生に意味を持たせたい」という切実な衝動と苦悩を抱えています。なんて夢がなく現実的なんだ。

夢も希望もなく、それでも何かを成し遂げたいともがき苦しむ。しかしもう若くはなく年老いて能力は日ごとに落ちていく。親の介護もある。そんな悲哀と苦悩に満ちた人生のシミュレーターそれが『冒険者35歳』です。


テキスト量は控えめで、「仕事してお金を稼ぐ」「婚活」「病院」「親の介護」等の選択肢を選ぶだけのシンプルなゲームデザインです。しかし、なんて味があるんだろう。こういうゲームをウディコンにぶち込んでくるセンスがまず好きだわ。

(最近は作れてないけど、自分も昔はフリーゲームを作っていて、プレイヤーをドン引きさせるような内容のやつを表に出して、案の定反応は鈍くてへこんだりしていました。それを考えると、しっかりと評価される作品に仕上げてるのがすごいと思った)続きを読む

【感想・レビュー】『さらばケゴール島』 病とは?正常とは?世の中に対する箴言集(掌編デフォ戦RPG)

「患者」が集まるケゴール島。病とは?正常とは?


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『さらばケゴール島』の紹介ページ(VIPRPG GW2017)
(プレイ時間:30分~1時間 掌編デフォ戦(コマンド式)RPG)

(随時更新)VIPRPG GW祭り2017から選んだ作品の感想・レビューという記事も書いています。


ウィンディが患者の集まるケゴール島を舞台に、魔王把握するというストーリー。

『ドグマの箱庭』『引き裂かれたバダール』『アリスの標本箱』『シューニャの空箱』等を作られた作者さんによるものだと推察され、過去作のキャラクターもほんの少しだけ登場する。しかし、過去作のプレイは前提とはされていない。
過去作も超おすすめです。VIPRPGやフリーゲームの一種の最高峰と言っても過言ではないと思う。思想的にもゲーム的にも面白かった。作家性が強いところがいい。


いつも通り下ネタ注意。そして、前回の紅白の『かなしみの箱舟』でも「病」や「正常と異常」というようなテーマが扱われていましたが、本作でもそれらに関する考察のエッセンスのような言葉(アフォリズム)が満載されています。今回はネット文化や現代人に関することも多いように感じました。



これを連想した。昔読んで難しさはあったけど哲学の中ではやさしい方だと思った。「人は不意に何かを問われた時、その人の職業の規範から答えを返す」という旨の箴言が記憶に残ってるな。

ゲーテ格言集 (新潮文庫)
ゲーテ
新潮社
1952-06-27

ゲーテのほうだとかなりわかりやすい。でも深い。「自分の胸から出た言葉でなければ、人の胸を震わせることは出来ない」ってやつがとくに好きだな。ネット上でも一部が見られる。ゲーテの名言・格言集。支えとなる言葉 | 癒しツアーとか。


話を戻しましょう。
本作の魅力については、もちろん効果音の楽しさや戦闘の要素もありますが、戦闘は簡素なデフォ戦でとくに難しいところも無かったので、本作の最大の魅力はこの箴言集のような言葉たちにあると思います。

なので、いくつか引用してご紹介します。個人的に気に入ったものを6枚のSSでセレクトしました。


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「多数派」の暴力性については繰り返し語られていますね。とても共感しました。

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こういう人、ネットでもよくみかけるよなあ…。すぐ○○障害とか言ったりして。もちろん医学的根拠や病識はなく。

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両極端を参与観察のレベルで理解せずに、自分は良識的な中道派を気取っている人が私は嫌いです。そういう人は本当は自分の頭で何も考えていない。何も理解していないのに全てを知っているふりをしている。


『さらばケゴール島』のダウンロード(VIPRPG GW2017)
(VIPRPG作品はRPG_RT.exeが抜かれているので他のツクール2000作品から持ってくるか、RPGツクールローダーを使うのがおすすめ。また、ツクール2000によって製作されているのでRPGツクール2000 RTPが必要。)


(随時更新)VIPRPG GW祭り2017から選んだ作品の感想・レビューという記事も書いています。

1週間くらい前にツイッターを始めました。VIPRPG GW祭り2017のゲームの感想もツイートしていくつもりなので、良かったらフォローしてね! Twitter:@sdw_konoha

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【感想・レビュー】『StarLight☆Mountain』 カジュアルにもディープにも楽しめる一筆書きパズル

諸君、私はパズルが好きだ。

フリーゲームでパズルといえばまず挙がるのが『ゼリーのパズル』でしょう。

そしてVIPRPGでは、 『デュラハンさんの頭をお持ち帰りする』高水準な倉庫番的パズル『キャロルのブロック崩し~いにしえの魔導書~』ただのブロック崩しではない。独自の工夫と細やかな演出『Win' Wind' Windy』、『しろくろシンドローム』あたりが、私の記憶には新しく、高水準でした。

VIPRPG GW祭り2017でも、確か3作品がパズルというジャンルでエントリーされています。

全体としてはNo.03『スピリットブレスオブザワイルド』やNo.19『さらばケゴール島』あたりが、感想掲示板やツイッター等で話題になっているみたいですが、私はパズルがやりたい気分だったのでまずは本作をPIAI(プレイという意味のこの界隈のスラング)してみました。

『StarLight☆Mountain』紹介ページ(VIPRPG GW祭り2017)
(プレイ時間:エンディングを見るだけなら30分くらい。フルコンプリートまではもっと)

(随時更新)VIPRPG GW祭り2017から選んだ作品の感想・レビューという記事も書いています。


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ルールを簡単に説明すると、石の上に書いてある数字の回数だけその石の上を移動することが出来て、かつ同じ色から同じ色の石へは移動できません。
そして全ての石の上の数字を消費しきればコンプリートなのですが、次のマップへと進むための条件が集めた星の光の数(石の上を移動した歩数)が一定以上というものになっているので、全ステージをコンプリートせずとも進むことが出来ます。
このカジュアルにもディープにも楽しめるゲームデザインがよく考えられているなーと思いました。

パズル自体も面白かったです。パズルゲーの面白さをどう言語化して伝えればいいんだろう。難しいな。比較するのが王道なんだろうけど、似ているフリーゲームとかってあったっけ。『一本道迷宮』とか連想したけどこれは違うなー。
まあ、アクション要素がない静的なパズルなので、手順を考えたりする知的な遊びが好きな人なら楽しめるはず。


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そして忘れてはならないのが、パズルゲーのパズル以外の部分。前回の紅白の『キャロルのブロック崩し~いにしえの魔導書~』あたりは特に秀逸だったけど、本作でもしっかりとしたストーリーがあるのも良いと感じました。設定に新鮮さを盛り込みつつも、VIPRPGのテンプレートに乗っ取った安心感と気楽さがある。


ただ、全体を見て気になった点もあって、それはパソコンが低スぺだと後半のステージの動作が重い(5月6日時点)。ステージ開始直後は軽いので、画面上を動き回っている星が多数になると重くなっているんじゃないかと推測します。感想掲示板にも同様な報告がすでにいくつか寄せられているので、これについてはアップデートを期待したいですね。


『StarLight☆Mountain』のダウンロード(VIPRPG GW祭り2017)
(VIPRPG作品はRPG_RT.exeが抜かれているので他のツクール2000作品から持ってくるか、RPGツクールローダーを使うのがおすすめ。また、ツクール2000によって製作されているのでRPGツクール2000 RTPが必要。)

(随時更新)VIPRPG GW祭り2017から選んだ作品の感想・レビューという記事も書いています。

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今日のひとこと

1週間くらい前にツイッターを始めました。VIPRPG GW祭り2017のゲームの感想もツイートしていくつもりなので、良かったらフォローしてね! Twitter:@sdw_konoha
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 「満たされない人生に、ゲームでささやかな楽しみと癒しを」をテーマに発信しているブロガー。

 他には好きな本・音楽等とも全力で向き合う。ニコ生と某掲示板ばかり見ている病的な人物。
 息苦しい国だけど、マイペースに、人どうしの違いを大切に。

嫌いな言葉は「明るく」「協調性」「頑張る」。学校が嫌いだった。

その他、詳しいプロフィール


初めての方へ→多様なジャンルから、当ブログのおすすめ記事を29本厳選した。

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