影絵の木の葉 - フリーゲーム/RPG等のレビューと感想

 自称・ゲーム/ニコ生評論家が文化的なことについて、熱っぽく本音で語っていきます。

初めての方へ
 近頃は、ゲーム関連とニコ生等について書いていることが多いブログです。PC用フリーゲームに関心がある方には、最近のおすすめ名作フリーRPG8選(2016年版)VIPRPGのおすすめ名作・傑作12選まとめ(2016年版)がおすすめ。  フリゲ以外に関心がある方はそのカテゴリの記事か、下の過去記事セレクションあたりがおすすめ。
過去記事セレクション(3/19):
最近のおすすめフリゲ:【長めレビュー】『グリム・ディエムの冒険録 あるいは忘れられた海の底で』中編RPG『リリアン・クー』中編RPG『戦海ディザイア』短編RPGVIPRPG紅白2016から選んだ8作品の感想とレビュー

ダークな雰囲気

  • 『終わり逝く星のクドリャフカ』隻腕の男とロボットが寂し気な世界を探索する、細部まで丁寧なSF的RPG
  • 『ひよこ侍』男は剣に全てを捧げた。友を殺してでも、ただ最強を目指した。(アクションRPG)
  • 『いただきます』電波ノベル。記憶喪失、謎の施設、奇妙な同居人達。
  • 『ザ・スクールジャック』人生の落後者が旧友七人を殺害するために学校を襲撃するRPG
  • 『ワールドピース&ピース』痛みと再生の物語。大長編の大名作RPG

『終わり逝く星のクドリャフカ』隻腕の男とロボットが寂し気な世界を探索する、細部まで丁寧なSF的RPG

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おすすめ度:★★★★☆
プレイ時間:2時間程度


「お願いです、ぼく達を愛したりしないで……」

――2253年8月。最終戦争により終焉を迎えた世界の片隅で、一体のロボットが目を覚ます。
隻腕の男に手を引かれ、それが目にするものは、変わり果ててしまったかつての――。
(公式より引用)

 ストーリーは、最初は自分が置かれている状況がよくわからないところから始まり、徐々に把握していくというスタイルで展開される。SF的世界観。打ち捨てられた場所で起動したロボットの主人公が、壮年の男性・カミオカとともに残された日記とかメモとかを頼りにしつつ探索していく、というのはとても雰囲気がいいですね。

 戦闘はツクール2000のデフォ戦に、「チャージ」というシステムを追加している。そのシステムは、他のゲームでいうところのMP的なもの(AP)は最初0の状態からスタートし、「チャージ」という行動をとることでMP的なものが蓄積し、それを消費してスキルを発動できるというものだ。また、レベルアップした時に成長するパラメータを自分で自由に決められる。
 戦闘にしろ、ダンジョンにしろ、細部まで丁寧に作りこまれているという印象。敵の行動もよく練られている。豊富な種類がある装備の耐性等をよく考えて、敵の情報(アイテムを使って確認できる)や使ってくる技をよく見て対応していかないと厳しいだろう。

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(画像右)Seraphic Blueのヴィルジニーっぽい敵

 私のプレイでは、雑魚は基本無視、稼ぎはせずにボスと死闘を繰り広げて瀕死の勝利(確か戦闘不能のキャラクターには経験値が入らない)でラスボスまでたどり着きましたが(レベル8・お金アイテム不足)、麻痺連打でHPを6割くらいは削れましたが、アイテムは確か一種類につき10個までしか持てないので相手のHPを削り切るまでに枯渇して敗北しました。そこで少しレベル上げをして、隠しアイテムとかを入手したら楽勝でした。そんな戦闘バランス。
 隠し要素とか、クリア後のボスとか、引き継ぐものの選択や高難易度の2周目とか、RPG好きが喜びそうな要素をたくさん用意しているなと感じました。それも攻略とかを見ずに自分で発見するのが楽しく、ちょうどいい難易度でしょう。

 気になったところは、ラストバトルにしても、その一つ前のボスにしても、エンディングにしても、そのシーンにおける因縁とか感動的な要素というものがあまりにもシーンの直前で明らかにされているように感じられ(要はストーリー展開が直線的過ぎるというか、伏線が弱いというかそんな印象)、気持ちがついていかなくて、「あ、そうだったんだ。」と私は思ってしまいました。

『終わり逝く星のクドリャフカ』のダウンロード(ふりーむ!)

【こちらもおすすめ】
工夫されたデフォ戦繋がり:『リナックス×メビウス』丁寧に作られた遊びやすいVIPRPGの良作

今日のひとこと

 本作はSFで硬派な感じの作品でしたが、けものフレンズ(アニメ)って面白いの?まだ見てないんだけど。私にとって最近のアニメはまどマギで止まってます。

『ひよこ侍』男は剣に全てを捧げた。友を殺してでも、ただ最強を目指した。(アクションRPG)

WS000178おすすめ度:★★★★
プレイ時間:5時間~7時間程度

 
約10年ぶりに再プレイして記事を書き直しました。時が流れても色褪せることのない澄んだ魅力がありました。一回目のプレイでも時を経て再プレイしたくなるくらいに魅力を感じましたが、今回のプレイも相当に楽しかったです。
 『ひよこ侍』は、剣に全てを賭ける主人公・テューンがあらゆるものを犠牲にしながらただ最強へと歩んでいく物語。一対一の間合い管理が重要な独自のシステムの戦闘もマッチしていて楽しい。アクション要素は低レベルだとそれなりの難易度だが、レベルを上げれば難易度は下がる。

いかにして生きるか。全てを犠牲にして手に入れたものの先には何があるのか。死して残るものとは…。悲しく美しくも壮絶に生きた一人の男の物語がここにあります。
"戦略性のあるアクション"と"ゲームのメッセージ性"にこだわり作り上げたアクションRPG「ひよこ侍」です。簡単な操作で誰でも奥深い戦闘が楽しめます。
ひよこ侍として生きた主人公「テューン=フェルベル」の一生を描いています。彼を取り巻く境遇や人々が彼を剣へと駆り立てます。本気で生き抜いた彼の人生はどのように終わるのでしょうか。 (ベクターの紹介文より)

ストーリー

WS000166 『ひよこ侍』というタイトルからは想像できないほど、ダークでハードで虚無的なストーリーです。生きるとはどういうことか。訴えかけてくるものがあります。儚くも研ぎ澄まされたような美しさを感じました。
 8歳の少年、主人公・テューンは家族や幼馴染とともに平和に暮らしていた。そこに現れた青天の霹靂、凄惨な事件。その事件が彼に10年後「ひよこ侍」となり、最強の剣士となることを決意させる。歩んでいく道は平坦なものではない。彼は色々なものを失っていく。友や女、普通の幸せ、そして……。
 その時世界では、「決闘」が憲法によって正当化され、強者が全てを得る帝国が成立していた。テューンは旅の途中、その帝国を打倒せんとする青年・レイスと出会う。レイスは「弱者が助け合い、普通の幸せを得る事が出来る国を作る」という理想を掲げていた。しかしレイスは自らの理想を冷静かつ客観的に見ており(ニーチェ的な批判を連想させる)、帝国の理想と自らの理想はどちらが正しいというものではなく、「子供のケンカのようなもの」であるという。そして"発火草"の発見とともに、時代は動いていく。

ゲームシステム

WS000158 成長要素のあるアクションRPGの一対一の戦闘が面白い。移動は前進と後退のみで、簡単な操作で習得した技を繰り出す事が出来る。製作ツールのRPGツクール2000はアクションゲームを作ることを主たる使用法に据えたものではないので、独自のシステムを構築しない限り1マスずつしか移動できない(繊細な動作に欠けるきらいがある)。しかし、本作では移動を一次元に制限することによりそのデメリットをケアしているので、食わず嫌いせずにプレイしてみてほしい。緊張感のあるバランスで間合いが重要となり、まさに侍の戦いという感じ。技やアイテムもゲームが進むにつれて増えていきます。

ダウンロード(ベクター) 



 
リアル 1 (Young jump comics)
井上 雄彦
集英社
2002-09-18


 バガボンドは、本作との類似性を感じさせる剣豪・宮本武蔵を描いた漫画。さらに、同作者のリアルと連想。リアルは私が最も好きな漫画の一つです。アイデンティティ、「自分は何者として生きていくのか」を必死にもがき追い求める若者たちのリアル・ストーリー。読んでて何回も泣きました。単なるエンタメじゃない。

今日のひとこと

 本記事は過去の記事を加筆修正したものになります。今後も少しずつこの作業をやっていきたいと思っています。

『いただきます』電波ノベル。記憶喪失、謎の施設、奇妙な同居人達。

WS000138 プレイ時間:30分程度

 2011年に行われたVIPRPG電波祭りのノベル作品。「電波」という言葉は思考停止の響きを感じるので、作品を形容する目的で使うことには若干の抵抗がありますが、あえて言うならこの作品は電波を受信しています。

 記憶喪失の主人公、謎の施設で暮らす5人の常識的な思考が通じない同居人達、職員が提供する妙な食事…。そして彼らが話す言葉や行動は、支離滅裂というか、合理性を持たないというか、同じものを見ているようで違うものを見ているというか……平たく言うと実に「電波」なんですよね。
 しかもその電波な内容は、常識人が電波の振りをして作ったのが見え見えな取ってつけたような表層的なものというよりは、何か深層的なものとの繋がりがあるように私には感じられました。それがこの作品の面白みを大幅に増しているのではないかと思います。

WS000133 さらに、本作は演出面にも光る部分があります。特に選択肢が印象的で、一話ごとに挿入される十字架にかけられた謎の人物のシーン(右の画像)で選択肢を選んだ時の演出が秀逸だと感じました。また、途中で挿入される剣と盾のシンプルなゲームも、そのシンプルさゆえに登場人物の思考が浮かび上がってくるような気がして印象的でした。
 ただ、それだけ光るところがあるだけにラストシーンで明かされる真相は衝撃的ではあるのですが、提示の仕方があっさりとしていたのが気になりました。しかし、総合的に考えて面白いといえる独特な作品だったと思います。

『いただきます』のダウンロード(VIPRPG@Wiki)

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)
 (こういう形容は適切とは言えないが)電波繋がりで。"三大奇書"(wikipedia)の一つにも数えられ、私も十代の頃に一度読んでこれを機に青空文庫で再び読んでいるのですが、やはり形容するのが難しい。でも面白い。主人公は記憶喪失の状態で精神病棟の一室で目覚め、謎の実験への参加を促される。作品を覆う不気味で薄暗い雰囲気。そして、『ドグラ・マグラ』の作中に『ドグラ・マグラ』が登場するというメタ的な表現も気になる。

今日のひとこと

 steamで買ったFF10-2 HD Remasterをやり始めました。私はFF10のスフィア盤の前で30分以上の長考をするのが楽しい人間です。

『ザ・スクールジャック』人生の落後者が旧友七人を殺害するために学校を襲撃するRPG

WS000100おすすめ度:★★★★★
プレイ時間:5時間程度(ノーマルモードでクリアまで)


 犯罪小説(有名どころでは、東野圭吾『さまよう刃』・貴志雄介『青の炎』・ドストエフスキー『罪と罰』)のように、スクールジャックを行うコンプレックスにまみれた犯罪者の犯行を追体験できるゲーム。過去の事件を元ネタにした不謹慎なイベントや、人によっては気分が悪くなるようなイベントが満載されているので、とても人を選ぶ作品。そういった表現が苦手な方はプレイしないほうがいいかもしれません。しかし、不謹慎な一発ネタ的な作品ではなく、ゲームシステムはとても作りこまれているし、キャラクターの心情も掘り下げられています。
(不謹慎ネタはフリーゲームの古典的題材。タシロギアソリッドとか麻原の野望とか遠い昔にやったなぁ…。「っていうか、ラサイト」のFlash作品[今はHarasaitoで見られるようだ]とかも非常に人気があったし、当時の雰囲気が懐かしいね)

ストーリー

 主人公・亜冨丸 呈朗(あふがん てろう) は、17歳の少年で高校に進学せず自堕落な生活を送っていた。ある日、楽しそうに談笑し、自分を馬鹿にしている中学生時代の旧友・男女7人グループに出会う。本当ならば、自分もあの中にいたのかもしれない。友達と楽しげに話したり、未来に向かって勉強やスポーツを頑張ったり、もしかすると恋人もできたりするかもしれない、そんな"普通"の高校生活。今の自分の生活との圧倒的対比。呈朗の胸を焼く、燃えたぎるような嫉妬と疎外感。しかし今さらどうにもならないという無力感と絶望感。どうすればいい? 自分の前途に希望などない。ああ、そうか、あいつらを物言わぬ屍に変えて自らはカリスマ的アンチヒーローとして見下ろしてやればいいんだ。「スクールジャック」だ――殺してやる。

ゲームシステム

 不謹慎な一発ネタ的な作品ではなく、ゲームシステムがしっかりと作りこまれた骨太な作品です。ジャンルは作者様に倣ってRPGとしましたが、探索ADV的な要素も大きいです。難易度は3段階から選択でき、私は中間のノーマルモードでプレイしましたが要領がつかめるまではなかなか難易度が高いと感じました。
 まず、持ち込むアイテムを初期資金の範囲内で購入し、犯行現場の学校へと向かいます。学校内は呈朗の登場により阿鼻叫喚の地獄絵図の様相を呈していますが、生徒たちは決死の抵抗を試みています。その中で生徒たちを殺してアイテムを奪ったりしながら旧友七人の殺害を目指すのですが、前途には様々な障害・豊富なイベントがあり、それらをアイテムを駆使して乗り越えていきます。そのアイテムに関して「クロスカップリング」という特徴的なシステムがあり、アイテムを組み合わせて新たなアイテムを工作できます。また、「CB」というアチーブメントシステムがあり、ゲームの進行度やイベントの発生等により報酬を獲得できます。時間経過によって、状況・キャラクターの行動の変化という要素もあります。
 繰り返しのプレイが前提されており(条件を満たせば5個までアイテムを引き継げる)、最初は学校で起きている状況がわからずにすぐに返り討ちにあってしまいますが、繰り返しているうちに犯行が洗練されていき、さながら優秀なサイコパス、シリアルキラーの犯行を追体験しているような感覚が魅力的でした(しかし、呈朗の心は異常というよりどこまでも人間的)。また、犯行前に行うBGMの選択が高揚感を煽ってくる。

『ザ・スクールジャック』のダウンロード(VIPRPG紅白2014、要RPGツクールVX RTP

さまよう刃 (角川文庫)
東野 圭吾
角川グループパブリッシング
2008-05-24

 『さまよう刃』の主人公も連続殺人を行うが、その理由や心情は多くの人の共感を得るものであると思う。文庫版で499ページの作品であるが、展開や主人公の心情にぐいぐいと引き寄せられ、どんどん読み進めてしまうような小説だった。

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)
ドストエフスキー
岩波書店
1999-11-16

 歴史に残る文学作品の『罪と罰』は、犯罪小説としても知られる。私も先日紹介した『ワールドピース&ピース』をきっかけに再読しているが、犯罪者の心情がこれでもかというくらい克明に描き出されている作品だ。熱病に浮かされたような犯行直後の状態や、心理的な圧迫により自分が意図しない言葉を発してしまうような様が印象的である。江川訳と中村訳を読んだことがあるが、今回紹介した江川訳が読みやすくて個人的にはお勧め(普段本を読む習慣のある方なら、文学と身構えずに読んでいけると思う)。

[ 今日のひとこと ]

 フリーゲーム制作に関する話の続きですが、作品についての感想がもらえなさすぎると自分の作品の美点・欠点や失敗が十分に洗い出されず、どこが良くてどこが悪いのかよくわからず、同じ失敗を繰り返してしまうということにもなりかねない、という状況があります(私も過去に経験がある)。なので私も、作者の利益になるような建設的批判をもっとできたらいいなとも思っています(根拠に乏しい的外れな誹謗中傷を書き込むことは小学生でもできるが、精密な建設的批判を行うコメントを書くのはとても難しい。まだ私の力量ではなかなかできない)。これを読んでいる方も、プレイしたフリーゲームについてのフェアな感想を作者の方に届けて頂ければ、それは大きな制作の原動力になることでしょう。

 攻略情報はネタバレを含むので、続きを読むから。
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『ワールドピース&ピース』痛みと再生の物語。大長編の大名作RPG

WS000941おすすめ度:殿堂入り
プレイ時間:60時間~

(私の最終セーブは66時間21分。序盤、雑魚敵がやや硬いと感じたのでVERY EASYに変更し、終盤で敵があまりに弱いと感じたのでNORMALに戻した。そしてストーリーはとてもじっくり味わって、このプレイ時間の大長編。戦闘やダンジョンをスキップし、ストーリーのみを楽しむ機能もある)

ネタバレありのWPP長文感想はこちらWPP私選名言集(暫定版)はこちら

 フリーゲームで大長編と言えば、まず『Seraphic Blue』が挙がると思われるが、本作『ワールドピース&ピース』はセラブルと肩を並べるクラスの作品(ストーリー性、ゲーム性にも近しいものを感じた)である。ここまで書けば、往年のフリーゲームファンの方には十分魅力が伝わったと思うので、私の記事を読むよりも先にダウンロード(『ワールドピース&ピース』のダウンロード、公式)し、プレイを開始することをお勧めする。そうでない方に向けても記事の続きを書いていこうと思う。

ストーリー

WS000499 本作最大の魅力はストーリーにあると思う。ネタバレにならないように、本作の傑出したストーリーの魅力をどうすれば伝えられるかと考えると言葉に迷うが力を尽くしたいと思う。
 魔女と人間が対立する中世ファンタジーな世界が舞台。その中の人里離れた場所で主人公・魔女トレスは、パートナーの喋れる箒「ホウキ」とともに薬を売って生活していた。飛べなくなったことで劣等感を持つ「ホウキ」とトレスの間には諍いがあった。そして"氷の魔女"を名乗る謎の存在は、「不条理のゴミ箱」なる場所から「ホウキ」に対して仲間になるように呼び掛ける。ある日、魔女と人間の戦争が始まるということを知ったトレスは、料理屋を営んでおり心の支えでもある人間の親友・リーズに会いに行くため王都へと向かう。
 そして、重い雨が降りしきる中、総勢二十名以上のキャラクターが織り成す群像劇が動き出します。登場人物たちは、皆色んな想いや痛み・復讐心を抱えています。彼らの心情はとても丁寧に描写され、痛切な想いがよく伝わってきます。しかしそれだけではなく、彼らはもがき苦しみながら希望へと向かってゆっくりと歩いていきます。登場人物たちの心の交流によるその過程が、非常に繊細に、じっくりと描かれています。
 また、本作は鋭い批判性を持っています。「綺麗事」を語る人間が繰り返し厳しく糾弾されています。これもとても魅力的だと感じました。
 私がシリアスさ・重さばかりを強調してしまっているのかもしれませんし、確かにそういう部分が多いと思いますが、非常に元気や勇気をもらえる作品でもあります。

ゲームシステム

WS000496 またゲーム性については、行動ごとに決まる確率次第で連続行動できるRPG的戦闘の「プログレッションバトル」、シミュレーションRPG的な「シミュレーションバトル」、アクションRPG的な「アクションバトル」の3つのゲームモードがあり、とても長い作品でありますがプレイヤーを飽きさせません。

 難易度もNORMAL,EASY,VERY EASYから選択可能で、ストーリーのみを楽しむダンジョンスキップ機能も搭載されているので各自の好みに合わせて調整することができます。どのゲームモードも、難易度NORMALだとなかなか歯ごたえがあり戦略的な対応を求められ、考える楽しみがあります。

WS000501 さらに、中心的位置を占める「プログレッションバトル」においては、戦闘などで得られる「I.C.S.ポイント」を消費して新たなスキルを習得したり、戦闘を有利にする「イレギュラー」や「カード」などをある程度好きな順番で獲得できる成長要素があります。

 長くなりましたが以上で、WPPの紹介を終わります。ネタバレありのWPP長文感想はこちらWPP私選名言集(暫定版)はこちら

『ワールドピース&ピース』のダウンロード(公式)

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同じ作者さん繋がり:『リリアン・クー』暖かく優しい世界。しかし厳しさや切なさから目を逸らしてはいない。戦闘も骨太な、ほのぼのお散歩RPG

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)
ドストエフスキー
岩波書店
1999-11-16

 本作にも大きな影響を与えたと思われる歴史的文学。私も10代の頃に途中まで読み、本作をプレイしたのをきっかけに最近また読んでいます。現在上巻を読み終えたところ。
書いている人:konoha
この世は生き地獄。争いが果てぬ阿修羅の世界。創作の光だけが救いだ。

ネットの暗部ばかり見ている病的な人間です。
好きなものは、ハースストーン、ニコ生、格ゲー界隈の配信、syrup16g、村上春樹、ユング心理学。詳しいプロフィールはこちら。

好きなフリゲは、セラブル、アナザームンホイ、ワールドピース&ピース、ざくアク、ドグマの箱庭シリーズ、ひよこ侍、他多数。
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