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この村上春樹おすすめ小説ランキングで紹介する作品は、全て自分で実際にていねいに読んでいます。村上春樹という作家は、この作品は人気があるとかじゃなくて、「自分にとってどうなのか?」ということがことさらに大事だと思う。

なので、自分で読んでみてどうだったのかということに焦点を当てて、「超個人的」に書いていきます。あと、「ハルキスト」という呼称が気持ち悪いと思っている層です。

どうもkonoha(@sdw_konoha)です。wikipedia:村上春樹によると、村上春樹は2017年11月時点で14作の長編小説を発表している。その中で、「国境の南、太陽の西」「スプートニクの恋人」「アフターダーク」以外の11作を読んだので、自分の中のランキングを書いていこうと思います。入門者・初心者向けかどうかも書いています。短編集もいくつか含まれます。


【ランキングの基準・性格】
  • どの時期の作品も好き。初期が好きとか、最近の作品が嫌いだとかは特にない。一人称が好きとか、三人称が好きとかもとくにない。どっちも好き。
  • 村上春樹の作品はどれを読んでも当たりはずれがなく、いつも一定以上の面白さを感じている(長編に限らず、短編もエッセイも翻訳なども)。他の作家、例えばドストエフスキーだと「罪と罰」は好きだけど「地下室の手記」は好きになれない、といった好みがあるけど。
  • 他の好きな作家は、太宰治・三島由紀夫(関連:三島由紀夫の代表作『仮面の告白』『金閣寺』に、誰にも話したことのない自分の感覚が書いてあった。)・中島敦(関連:【おすすめ・解説】中島敦「悟浄出世」「悟浄歎異」(わが西遊記))など。音楽も好きだけど、作中によく出てくるオールディーズはあまり聴かない。邦楽ロック邦楽ヒップホップが好きな人間が選んでいる。
  • 読んでいて単純に楽しいと感じられるストーリー、文章を読むこと自体が気持ちいい・癒されるという作品が好き。意味を”考える”ことが重要だとは思ってない。”感じ取る”ことが大事。
  • 1位~4位あたりまではほとんど差がなく、決めるのに悩みました。

それでは、ランキングと題しましたが、テレビみたいに煽ったりひっぱったりするのもされるのもしんどいと思っているので、1位から順に行きます。

18/3/17更新:「騎士団長殺し」「東京奇譚集」を追加
18/3/13更新:「海辺のカフカ」を追加




1位:ねじまき鳥クロニクル 重要なモチーフが詰まったおすすめの最高傑作



身の回りの狭い範囲を中心に物事が進んでいるようで、歴史や戦争という幅広いテーマにまで広がっていく。村上春樹が描けば、ただの路地裏が神秘的な場所に見えてくる。

村上春樹をまず1作だけ読もうと思っている方は、これを読めばいい。彼の重要なモチーフの集大成であり、最高傑作。「ダンス・ダンス・ダンス」などのように連作でないので、これ単独で読める。

このランキングを書いていて思うのは、村上春樹の場合、好きな作品ほど語るのが難しいということ。心の深いところに語り掛けてくるというか、うまく言葉にできないような感覚になる。でも確かに響いているんだ。

好きなところ:村上作品のモチーフの集大成。また、「痛み」「暴力」「悪」などについての言及が多いところ。そしてそれによって癒されるところ。

会社を辞めて日々家事を営む「僕」と、雑誌編集者として働く妻「クミコ」の結婚生活は、それなりに平穏に過ぎていた。しかし、飼っていた猫の失跡をきっかけにバランスが少しずつ狂い始め、ある日クミコは僕に何も言わずに姿を消してしまう。僕は奇妙な人々との邂逅を経ながら、やがてクミコの失踪の裏に、彼女の兄「綿谷ノボル」の存在があることを突き止めていく。(wikipediaより引用)

>>超個人的な感想はこちら(けっこうマニアックな内容になった)。(書評・感想)村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』と癒しの効果


2位:ダンス・ダンス・ダンス 初期四部作の最後の作品



「ダンス・ダンス・ダンス」は、初期四部作(「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」そして本作)の最後の作品。

後の「1973年のピンボール」の項では連作だということはあまり気にしなくてもいい、と書いたけど、こっちは一作目から順に読んで最後に読んだほうがいいかもしれない。判断に迷う。個人差もありそうだし。

上でも書いたけど、村上春樹の場合、好きな作品ほど感想を言葉にするのが難しい。出てくるモチーフとか物語はほとんどの長編において、共通している部分が多いんだよね。じゃあ違いはどこにあるのか? 3位以降はもっとしっかりと書いていきます……。

好きなところ:うまく言葉にできないけど、自分から動くというより状況や世界に聞き耳を立てて、ダンス・ステップのように主人公が行動して物語が進んでいくところ。あとはホテルの中で「羊男」がいる一室に迷い込む感じとか。

「僕」は3年半の間、フリーのライターとして「文化的雪かき」に従事していた。1983年3月のはじめ、函館の食べ物屋をカメラマンと二人で取材した。書き上げた原稿をカメラマンに託すと、「僕」は札幌行きの特急列車に乗る。「いるかホテル」に行ってキキと会うためだ。しかし「いるかホテル」(正式名はドルフィン・ホテル)は26階建ての巨大なビルディングに変貌していた。

「いるかホテル」の一室で羊男と再会し、札幌の映画館で中学校の同級生の出演する映画を見る。同級生の五反田君は生物の先生を演じていた。ベッドシーンで、カメラが回りこむようにして移動して女の顔を映し出すと、それはキキだった。

眼鏡のよく似合う女性従業員から、ホテルに取り残された13歳の少女を東京まで引率するよう頼まれる。少女の名はユキといった。 奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」は暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。(wikipediaより引用)


3位:ノルウェイの森 リアリズムでつづられる異色の、しかし重要な作品

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
2004-09-15


(この作品に限らず、村上春樹作品のアマゾンレビューはアンチに荒らされているので、全くあてになりません。多くの人の口コミ・レビューが読みたい場合は、読書メーターあたりで)

これはかなり売れた作品なので、初めての村上春樹が「ノルウェイの森」だったという方が多いようです。ちょうど私もその中の一人です。本屋さんで平積みされていたのをなんとなく手に取ったのが、出会いでした。

しかし、これは村上作品の中でかなり異色な作品です。彼の小説はほとんどが不思議な、幻想的な感じ(非リアリズム的)で描かれていますが、「ノルウェイの森」は現実的・写実的(リアリズム的)に描かれています。恋愛要素も多めで、好き嫌いが分かれます。この作品だけを読んで、村上春樹が嫌いだという方もたくさんいるようです。最初に読むにはおすすめできません。

そして、本の帯には「100パーセントの恋愛小説」と書かれていたそうです(私が買った本には付いていなかったけど)。これは村上自身が書いたというキャッチコピーで、本当は「これは100パーセントのリアリズム小説です」と書きたかったらしい。

37歳の僕は、ハンブルク空港に到着した飛行機のBGMでビートルズの「ノルウェーの森」を聴き、激しい混乱を覚えた。そして学生時代のことを回想した。

 直子とはじめて会ったのは神戸にいた高校2年のときで、直子は僕の友人キズキの恋人だった。3人でよく遊んだが、キズキは高校3年の5月に自殺してしまった。その後、僕はある女の子と付き合ったが、彼女を置いて東京の私立大学に入学し、右翼的な団体が運営する学生寮に入った。

1968年5月、中央線の電車の中で偶然、直子と1年ぶりの再会をした。直子は武蔵野の女子大に通っており、国分寺のアパートでひとり暮らしをしていた。二人は休みの日に会うようになり、デートを重ねた。 (wikipediaより引用)

好きなところ:1960年代後半~70年代前半の、大学の学生や周辺の人間の生活とか、学生運動とか、そんな空気感。自分が生まれる前の時期だけど、懐かしいような哀愁を色濃く感じて、それが気持ちいい。癒される。


4位:1Q84 ミステリー的にも楽しい、男女の大長編


まずこの小説、かなり長いです。でも、読んでいて「長いなぁ」とか「読むのが大変」だとは全く思いませんでした。むしろ夢中になってどんどん先が知りたくなる。

ミステリーのようにたくさんの謎が散りばめられていて、それが解き明かされていくエンタメ的な楽しみもかなり強いので、飽きることがありません。「面白くなるシーンまで我慢」のようなこともなく、常に楽しく読めました。長くてもいいなら最初に読んでもいい。

話の内容は、子どもの頃に離れ離れになった男女がお互いを探し求める物語で、二人の視点から描かれます(途中から三人になりますが)。複数の視点から描くのは、村上春樹の得意技ですね。

また、恵まれない家庭環境で育った子どもの話・宗教的な団体との関わりという要素が強いです。

好きなところ:ミステリーとは違うんだけど、思わず気になるような謎がたくさん散りばめられていて、それが解き明かされていくのが楽しくて仕方がない。

2人の主人公、天吾と青豆は孤独な10歳の少年少女として、誰もいない放課後の小学校の教室で黙って手を握り目を見つめ合うが、そのまま別れ別れになる。

スポーツインストラクターの青豆は、老婦人・緒方の考えに共鳴して、女性をDVで苦しめる男たちを暗殺する仕事を引き受ける。彼女は人間の身体の微妙な部分を捉える優れた能力をもっており、首の後ろのあるポイントに細い針を突き刺すことで、心臓発作に酷似した状況で人間を殺害することができる。

 一方、予備校の講師として数学を教える天吾は、小説家を目指して新人賞のために小説を書きつづけている。応募していくなかで知り合った編集者の小松とも親しくなり、小松から無署名のコラム書きや新人賞応募作の下読みなどの仕事を与えられる。天吾は新人賞応募作のなかから、「ふかえり」という少女の書いた『空気さなぎ』という小説を見出し、小松に強く推薦する。

かくして個別に「1Q84年の世界」に入り込んだ2人は、それぞれが同じ「さきがけ」という宗教団体に関わる事件に巻き込まれていく。(wikipediaより引用・一部省略)


5位:1973年のピンボール 心地良い哀愁が濃密に漂う、初期の傑作

1973年のピンボール (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
2004-11-16


村上春樹が好きになれない、という方は初期の作品を読めばまた印象が変わると思う。ノルウェイの森は村上春樹の中ではかなり異色な作品だし、最近の作品の癖が強いということも理解できる。でも初期は恋愛要素や性的な表現がそれほどなく、そういう方も楽しめると思う。

そして初期の作品で一番おすすめなのが、「1973年のピンボール」だ。これは初期四部作の二作目だけど、ここから読んでも構わないと思う。

確かに連作の中に同じ登場人物とか関連する出来事は出てくるけど、ストーリーが理解できなかったり重要な欠落が生じるほどの繋がり(依存関係)はないと思う。

例えばミステリー小説の上巻を読まずに下巻を読むことはありえないけど、「ジョジョ」は第3部から読んでも構わないのと大体同じ感じ。気にする方や深く感じたい方は、短いので一作目の「風の歌を聴け」から読むのももちろんいいと思う。

風の歌を聴け (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
2004-09-15



「1973年のピンボール」を読んで私が最も感じたことは、心地良い哀愁が濃密に漂っている、ということ。これは他の作品(例えば「ノルウェイの森」とか)でも感じることがあるし、彼のほとんどの小説に一定量は含まれていると思うけど、私はこの作品から一番強く感じた。「過去」がすごく気持ちいい。

好きなところ:ピンボール台「スペースシップ」を探し、近づいていく哀愁のある空気感が本当に好き。


6位:『東京奇譚集』村上春樹の短編集は、長編とはかなり趣が違う


この短編集は2007年にリリースされた。長編で言うと「アフターダーク」の後、「1Q84」の前の新しめの作品。

村上作品の長編は似たようなモチーフが頻出なのですが、短編はかなり趣が違っています。

「村上春樹に興味はあるけど、長編を読むのはしんどい」と言う方だけでなく、「長編のいつものモチーフとは違うものについて書かれた不思議で鋭い作品が読みたい」という方におすすめ。しかも癖が抑えられていて読みやすく良さはしっかりと出ているので、むしろ長編より広く勧めやすい。

肉親の失踪、理不尽な死別、名前の忘却……。大切なものを突然に奪われた人々が、都会の片隅で迷い込んだのは、偶然と驚きにみちた世界だった。

孤独なピアノ調律師の心に兆した微かな光の行方を追う「偶然の旅人」。サーファーの息子を喪くした母の人生を描く「ハナレイ・ベイ」など、見慣れた世界の一瞬の盲点にかき消えたものたちの不可思議な運命を辿る5つの物語。

「偶然の旅人」は、いかにも意味ありげな偶然の出来事が起こる話。「ハナレイ・ベイ」は息子を亡くした母の話で、喪失感と海と海沿いの街のおおらかさに癒された。全5編。

その中でも、私は「品川猿」が一番印象に残った。

大田区にあるホンダの販売店に勤める安藤みずき(結婚前の名前は「大沢みずき」)は、1年ばかり前からときどき自分の名前が思い出せなくなった。相手から出し抜けに名前を尋ねられると、頭の中が空白になってしまう。名前がどうやっても出てこない。(wikipedia 品川猿より)

ややネタバレになってしまうかもしれないけど、みずきは高校時代の友人の「名札」を預かっていて、その友人は自殺する。時は流れ、「猿」は友人のことが好きだったので、「名札」を盗んだ。そのときにまとめてみずきの名札を盗まれてしまった。そしてみずきは自分の名前が思い出せなくなった、という話。

なんだよこの話、という感じなんだけど、読んでみるとなかなか味わえないような不思議な感触がありました。


7位:海辺のカフカ 世界で一番タフな15歳の少年になる


「僕」田村カフカは東京都中野区野方に住む15歳の中学3年生である。父親にかけかられた呪いから逃れるために家出を決心し、東京発の深夜バスを四国の高松で降りる。少年は高松の私立図書館に通い、やがてそこで寝泊まりするようになる。

ナカタもまた野方に住む、知的障害のある老人であった。通称「猫殺し」の男を殺害し、東京を離れた。ナカタはトラック運転手の星野の力を借りて「入り口の石」を探しはじめた。その頃ちょうど少年は、図書館の司書の大島から父親が自宅で殺されたニュースを知らされる。 (wikipediaより)

村上春樹お得意の二つの視点から描かれた長編小説。10作目。

一方は「君は世界でいちばんタフな15歳の少年になる」そう告げられ、見知らぬ図書館で寝泊まりするようになった15歳の少年。もう一方は、猫と話せる老人・ナカタ。トラック運転手の星野の力を借りて「入り口の石」を探す。

例によって多様な解釈が許されるストーリーではっきりとしたことは言いにくいのですが、この「入り口の石」は何か重要な存在であるような気がします。終盤でこの石にあることが起こるのですが、それによって世界にとって大きな、しかし密やかな変化が起きたような感じがしました。

そして、少年側のストーリーは「父親を殺し、母親を自分のものにする」というエディプス・コンプレックス的なものを感じさせます。


好きなところ:序盤で出てくる、山での実習中の児童集団昏倒(お椀山事件)が妙に印象に残っている。あとは村上作品ではよくあるシチュエーションだけど、少年が人里離れた山で歴史書を読むところも癒されて好き。


8位:『騎士団長殺し』 最新作!……でも過去作と似ている部分が多い


約1年遅れになりましたが、ついに読み終えました!騎士団長殺し!

妻との離婚話しから自宅を離れ、友人の父親である日本画家のアトリエに借り暮らしすることになった肖像画家の「私」は、アトリエの屋根裏で『騎士団長殺し』というタイトルの日本画を発見する。

アトリエ裏の雑木林に小さな祠と石積みの塚があり、塚を掘ると地中から石組みの石室が現れ、中には仏具と思われる鈴が納められていた。日本画と石室・鈴を解放したことでイデアが顕れ、さまざまな事象が連鎖する不思議な出来事へと巻き込まれてゆく。(wikipediaより)

感想をひとことで言うと、「面白かった!……けど過去作と似ている部分が多い。もちろん新しい部分もあるんだけど、それは個人的にはあまり感興を呼ばなかった」。

村上作品は感想を書くのが本当に難しいですね。Googleで検索してみても、苦戦している方が多い様子。

「解釈」ではなく「特徴」を列挙することで言及を避ける。あるいはひどく遠回しで小難しい言葉を使って、たぶん大きく間違ってはいないんだろうけど大して意味も鋭さもない書評(本当にわかってる?わかったふり?)が多いなと感じました。

かくいう私もなんて言っていいのかわからない部分が多い。「よくわからない」じゃ仕事にならないので、立場のある人や書評の仕事を請け負った人はひねり出してでも何か語れることを語ろうとする。

あるいはこの本を売りたい人は、とりあえず読者の欲望を刺激するような文章を書こうとする。私は正直に「なんて言っていいのかよくわからない部分が多い(毎回そうだけど)、でも面白かった」と記しておきます。

この作品の今までの作品と違いは、たぶん「安定したもの」を求めている話というところなんだという気がします。そのせいか落ち着きすぎていて、あまりスリリングではない。

逆に言えば、そのことによって今までの村上作品が苦手な方でも『騎士団長殺し』は読めたりもするらしい。ロックバンドがインディーズからメジャーに進出するみたいな話をも連想させるね。


9位:色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 グループの中で爪はじきにされた理由を探る



(この作品に限らず、村上春樹作品のアマゾンレビューはアンチに荒らされているので、全くあてになりません。多くの人の口コミ・レビューが読みたい場合は、読書メーターあたりで)

この小説は正直、序盤はつまらないと感じました。村上春樹の悪い部分・癖の強さばかりが出ていて、しかも深みがないと思っていました。

でも、最後まで読み終えるとお気に入りの一冊となっていました。なので番外として挙げました。友達グループの中で爪はじきにされて傷ついたような体験がある方に、とくにおすすめ。ただ、初めに読むにはあまりおすすめできない。


簡単なあらすじは、多崎つくるは鉄道の駅をつくっている。名古屋での高校時代、四人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、四人から絶縁を申し渡された。

そこからの色を持つ親友たちとの再会。あの時語られなかった想い。過ぎ去った時間と変わっていったつくると彼らの姿、時間の重み。なんとも切ない読後感。

好きなところ:「悲痛な叫びを含まない静けさはなく、血を地面に流さない赦しはなく、痛切な喪失を通り抜けない受容はない。」(本作を代表しているように感じている作中の文章)

>>超個人的な感想はこちら。『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』感想と、この小説と奇妙にリンクした私生活での体験を語る。



以上。村上春樹のおすすめ小説の超個人的ランキング、ベスト9でした。
konoha

村上春樹の小説は、「癒される」ところが一番好き!(今日のひとこと・konoha)


他にも短編についても知りたくなったという方に、詳しい記事も書いています。かなりおすすめな作品で、なんと絵本にもなっています。

>>関連【考察・感想】村上春樹『図書館奇譚(ふしぎな図書館)』は、なんと絵本にもなっている初期の名短編だ


  
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この記事を書いた人

konoha  konoha/コノラスTwitter [つぶやきと更新通知]note [喜怒哀楽に全力な日記]

 「良い作品と出会い、より深く楽しむためのレビュー・批評、そして思い出」を発信しているブロガー。好きなゲーム・音楽・文学などを全力で語る。嫌いな言葉は「明るく」「協調性」「頑張る」。学校が嫌いだった。近頃はnoteで、過去の重い話や好きなことで生きていくための歩みを書いている。

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