影絵の木の葉 - フリーゲーム/RPG等のレビューと感想

 自称・ゲーム/ニコ生評論家が文化的なことについて、熱っぽく本音で語っていきます。

初めての方へ
 近頃は、ゲーム関連とニコ生等について書いていることが多いブログです。PC用フリーゲームに関心がある方には、最近のおすすめ名作フリーRPG8選(2016年版)VIPRPGのおすすめ名作・傑作12選まとめ(2016年版)がおすすめ。  フリゲ以外に関心がある方はそのカテゴリの記事か、下の過去記事セレクションあたりがおすすめ。
過去記事セレクション(3/19):
最近のおすすめフリゲ:【長めレビュー】『グリム・ディエムの冒険録 あるいは忘れられた海の底で』中編RPG『リリアン・クー』中編RPG『戦海ディザイア』短編RPGVIPRPG紅白2016から選んだ8作品の感想とレビュー

ノベルゲーム・見るゲ

  • 『いただきます』電波ノベル。記憶喪失、謎の施設、奇妙な同居人達。
  • 『KiTAN-キタン-』豊富なCGで紙芝居のように描かれる、伝承を元にした和風怪奇幻想譚
  • 『謎が謎を呼んでいる』独特なユーモアが楽しい気楽な短編VIPRPG見るゲ[夏の陣2016]
  • 『自分の輪郭~人生の特等席~』家族の姿が描かれるしっとりとした大人のノベル
  • 『もしもMTGだったら』シリーズ カードゲームMTG対戦の見るゲ!

『いただきます』電波ノベル。記憶喪失、謎の施設、奇妙な同居人達。

WS000138 プレイ時間:30分程度

 2011年に行われたVIPRPG電波祭りのノベル作品。「電波」という言葉は思考停止の響きを感じるので、作品を形容する目的で使うことには若干の抵抗がありますが、あえて言うならこの作品は電波を受信しています。

 記憶喪失の主人公、謎の施設で暮らす5人の常識的な思考が通じない同居人達、職員が提供する妙な食事…。そして彼らが話す言葉や行動は、支離滅裂というか、合理性を持たないというか、同じものを見ているようで違うものを見ているというか……平たく言うと実に「電波」なんですよね。
 しかもその電波な内容は、常識人が電波の振りをして作ったのが見え見えな取ってつけたような表層的なものというよりは、何か深層的なものとの繋がりがあるように私には感じられました。それがこの作品の面白みを大幅に増しているのではないかと思います。

WS000133 さらに、本作は演出面にも光る部分があります。特に選択肢が印象的で、一話ごとに挿入される十字架にかけられた謎の人物のシーン(右の画像)で選択肢を選んだ時の演出が秀逸だと感じました。また、途中で挿入される剣と盾のシンプルなゲームも、そのシンプルさゆえに登場人物の思考が浮かび上がってくるような気がして印象的でした。
 ただ、それだけ光るところがあるだけにラストシーンで明かされる真相は衝撃的ではあるのですが、提示の仕方があっさりとしていたのが気になりました。しかし、総合的に考えて面白いといえる独特な作品だったと思います。

『いただきます』のダウンロード(VIPRPG@Wiki)

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)
 (こういう形容は適切とは言えないが)電波繋がりで。"三大奇書"(wikipedia)の一つにも数えられ、私も十代の頃に一度読んでこれを機に青空文庫で再び読んでいるのですが、やはり形容するのが難しい。でも面白い。主人公は記憶喪失の状態で精神病棟の一室で目覚め、謎の実験への参加を促される。作品を覆う不気味で薄暗い雰囲気。そして、『ドグラ・マグラ』の作中に『ドグラ・マグラ』が登場するというメタ的な表現も気になる。

今日のひとこと

 steamで買ったFF10-2 HD Remasterをやり始めました。私はFF10のスフィア盤の前で30分以上の長考をするのが楽しい人間です。

『KiTAN-キタン-』豊富なCGで紙芝居のように描かれる、伝承を元にした和風怪奇幻想譚

WS000067 プレイ時間:約20分

 青森県弘前市に残る伝承が元になっている、故郷を追われ北の地に流れ着いた若者と、鍛冶屋の娘の恋を描いたノベル作品。"第11回ふりーむ!ゲームコンテスト "短編部門 銀賞受賞作。

 約20分という短いプレイ時間の中に約200枚という豊富なCGが使用されている(作者様曰く紙芝居ノベルとのことだ)。
 また、BGMの使用をあえて控えめにしたことにより風の音、刀を振るう音、足音、そして鈴の音等が印象的で、その静かで鋭い物語は無駄なものがそぎ落とされた武道の達人の立ち振る舞いを思わせる(伝承が元になっていることにもよる)。クリアで洗練された雰囲気が静かで熱を持った独特の情感を呼ぶ。

『KiTAN-キタン-』のダウンロード(ふりーむ!)

 スラムダンク等でも知られる井上雄彦のリアルが漫画の中で最高に面白いと感じる作品の一つであるので(他には、銀と金無頼伝涯のような福本伸行作品も好き)、同作者のバガボンドをうどん屋で偶然見つけて読んでみたら面白かった。本作との類似性も感じた。

『謎が謎を呼んでいる』独特なユーモアが楽しい気楽な短編VIPRPG見るゲ[夏の陣2016]

WS000060 プレイ時間:20分程度
 VIPRPG作品なので、VIPRPGの世界観を知っていないと厳しいかもしれません。"VIPRPG夏の陣2016・裏"参加作品。

 やみっちやライチたちが学校に行ったり、美術館に抽象画を見に行ったり、スーパーに買い物に行ったりするお話。常に独特なユーモアのセンスが発揮されていて、見ていて面白い。こういう肩肘張らない作品を楽しめるのもフリーゲームの魅力の一つかもしれませんね。


WS000059 特に好きなシーンは、電車に乗るところ(左上の画像、そこに乗るのかよ!)、「またしても」という言葉を使って文章を作りなさいという問題に対するやみっちの回答(右下の画像)、トイレでなぜか始まるクイズ等。文章や話の展開だけでなく、キャラクターの動きや効果音なども独特なおかしさがある。会話もボケとツッコミで進んでいく典型的な流れというより、うまく流して話を進めたり、突然変なことを口走ったりする独特の空気感がとても魅力的だった。このセンスはなかなか真似できないと思う。

『謎が謎を呼んでいる』のダウンロード(VIPRPG夏の陣2016・裏)

関連:作風がとても似ているので同じ作者様によると思われるおじいちゃんファンタジア(夏の陣2015)もおすすめ。

 関連商品考えたらこれ思いついた。フット後藤のジェッタシーがめっちゃ笑えた。

『自分の輪郭~人生の特等席~』家族の姿が描かれるしっとりとした大人のノベル

WS000048 プレイ時間:20~30分程度

 本作『自分の輪郭~人生の特等席~』は、"第11回 ふりーむ!ゲームコンテスト"の参加作品である。惜しくも受賞は逃したものの、プレイしてみて受賞作に引けを取らない出来だと感じたので紹介していきたいと思う。まずはあらすじの引用から。

仕事終わり……主人公「七実」(ななみ)は、一人公園のベンチに座っているとカバンに入っている電話が鳴った。
画面を見ると兄貴の名前。電話の内容も予想ができる。
祖父が体調が悪く、倒れたらしい。
兄貴からは『いつ、入院してしまうかも分からない、今のうちに実家に帰って元気な姿を見てやれ』と言われた。
それに対し私は……『仕事だから』と返しただけだった。(ふりーむより、改行略)
 育児放棄した生みの親に代わって主人公・七実とその兄を育てた祖父。しかし、七実はその祖父とも距離を置いていた。仕事の電話との間に揺れる心と、解けていくわだかまり・取り戻されていく時間が、読みやすい文章でうまく表現されていると感じました。冗長な部分がなく、自然に感情移入出来て先の展開が気になる上質なノベルだと思います。読んでいるうちに荒んだ心が癒されていきそう。しっとりとしたBGMも雰囲気に合っていて良い。
 また、本作では背景に実写の写真が使用されていたり、後半のシーン(感銘を受けた)等にも見られるように「写真」やその撮影が重要な要素の一つになっているように感じました。

『自分の輪郭』のダウンロード(ふりーむ!)


 「家族」を描いたノベルゲームといえば。PCノベルゲームの最高峰だと思います。とくに渚のAFTER STORYの前の部分の話が好きで、何回もプレイしました。一番好きなシーンは、後ろ指さされる「普通」から外れた「不完全」な人間たちが、バスケ部という伝統的なシステムに所属する「普通・典型的」な人間と対峙する3on3のシーン。圧倒的カタルシス。

『もしもMTGだったら』シリーズ カードゲームMTG対戦の見るゲ!

WS000340プレイ時間:一作あたり約10分程度

 ツクール2000製。VIPRPG作品ですが、世界観を知らなくても楽しめると思います。MTG(マジック・ザ・ギャザリング)というカードゲームの魔法具現化たちの対戦の見るゲ。

 第一作に簡単なルール解説があるので、カードゲームを知っている人ならMTGをやったことがなくてもおそらく楽しめると思います。
 MTGをやったことのある人なら思わずにやりとするようなネタ(甲麟のワームとか)が散りばめられていて面白いです。また、対戦の内容も様々なデッキが登場し、テンポも良くセンスを感じさせます。出てくるカードはあたらしめのものが多いですが、丁寧に解説してくれるのでMTG未プレイの方や、新しいカードを知らない人でも楽しめると思います(私も、シャドウムーア~アラーラあたりしか知りませんが大変楽しめました)。

ダウンロード
 今更ですが、VIPのゲームをやるときはRPG_RT.exeが抜かれているので、RPGツクールローダーが便利です。見るゲなので、ニコニコで見るという手もあります。

 余談ですが、MTGをやりたくなった方は、実際にカードを買って友人と楽しむのはもちろんのこと、MagicWorkStation(wiki)という無料のソフトでネットを介して対戦することが出来ます(有料のMagicOnlineもある)。 
 さらに余談ですが、私はバーン(多くは赤単でひたすら火力を相手に叩き込む速攻デッキ)が好きです。 赤という色の野蛮さやギャンブル性が好きなのです。それと勝利条件カードですね。合同勝利デッキも作ってました。『もしもMTGだったら』に出てくるデッキだと迷路デッキ(10種類の門カードを出すと勝利)が一番好みでした。

MTG [マジックザギャザリング] 迷路の終わり [神話レア] [ドラゴンの迷路] 収録カード
 本作にも出てくる勝利条件カード「迷路の終わり」。

 
戦乱のゼンディカー

 ブースタードラフトも非常に面白いのでお勧め。
書いている人:konoha
この世は生き地獄。争いが果てぬ阿修羅の世界。創作の光だけが救いだ。

ネットの暗部ばかり見ている病的な人間です。
好きなものは、ハースストーン、ニコ生、格ゲー界隈の配信、syrup16g、村上春樹、ユング心理学。詳しいプロフィールはこちら。

好きなフリゲは、セラブル、アナザームンホイ、ワールドピース&ピース、ざくアク、ドグマの箱庭シリーズ、ひよこ侍、他多数。
follow us in feedly



免責
当サイトに掲載されているスクリーンショットや紹介文等の著作権は各権利所有者に帰属しております。
当サイト及び外部リンク先のサイトを利用したことにより発生した、いかなる損失・損害についても当サイトは一切の責任と義務を負いません。