※前置きとしまして、私はムックの他のアルバムをそれほどちゃんとまだ聴けていないので、ムックをずっと聴いてきた長年のファンの方からすると浅いかもしれません。ムックというバンドが築いてきた流れ・変遷やダイナミズムというものは捉えられていません。『朽木の灯』単独で聴いた場合の印象となりますので、ご了承ください。
――ファンの間では最高傑作との声も多い4th Album『朽木の灯』。
私は今まで、ムックの曲は有名な曲をいくつか聴いたことがあるという程度だった(ちなみに、5th『鵬翼』の「赤線」とかも好きです。この曲、バックホーンの「孤独な戦場」と歌詞の内容が結構似てません?)。しかし、とある偶然の出会いから『朽木の灯』の曲を耳にし、CDを入手する機会に恵まれたので聴いてみたのだけれど、今まで聴いていなかったことを後悔した。
いや正確には、ずっと昔に一度だけ聴いたことがあったのだけれど、自分の中のタイミングが合わなくて通り過ぎてしまっていた。しかし、心の中で「判断保留」のラベルを付けられ、そのまま忘れそうになっていたこのアルバムを改めて聴いてみると、相当良かった。かなりおすすめです。
苦痛の悲鳴と退廃の美、という感じ。古びて廃墟になった館を憂鬱さに押し殺されそうになりながら、一人でゆっくりと歩いているような、そんな美しさを感じます。
まず、目立っていた印象の「未完の絵画」と「遺書」についてフォーカスして書きます。それ以外の曲についても後半で触れていきます。
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――ファンの間では最高傑作との声も多い4th Album『朽木の灯』。
私は今まで、ムックの曲は有名な曲をいくつか聴いたことがあるという程度だった(ちなみに、5th『鵬翼』の「赤線」とかも好きです。この曲、バックホーンの「孤独な戦場」と歌詞の内容が結構似てません?)。しかし、とある偶然の出会いから『朽木の灯』の曲を耳にし、CDを入手する機会に恵まれたので聴いてみたのだけれど、今まで聴いていなかったことを後悔した。
いや正確には、ずっと昔に一度だけ聴いたことがあったのだけれど、自分の中のタイミングが合わなくて通り過ぎてしまっていた。しかし、心の中で「判断保留」のラベルを付けられ、そのまま忘れそうになっていたこのアルバムを改めて聴いてみると、相当良かった。かなりおすすめです。
苦痛の悲鳴と退廃の美、という感じ。古びて廃墟になった館を憂鬱さに押し殺されそうになりながら、一人でゆっくりと歩いているような、そんな美しさを感じます。
ツバサは折れねじまがり孤独に形を変えた
血の涙流しても
けして景色変わることはなく
(「未完の絵画」より)
まず、目立っていた印象の「未完の絵画」と「遺書」についてフォーカスして書きます。それ以外の曲についても後半で触れていきます。
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