影絵の木の葉 ゲーム(特にフリーゲーム)/音楽/文学 等のレビューと感想

 "良い作品と出会い、より深く楽しむため" のレビュー・批評、そして思い出を熱くお届け。(ゲーム全般・音楽・文学など)

純文学・小説・読書

  • 【考察・感想】三島由紀夫『仮面の告白』『金閣寺』に、誰にも話したことのない自分の感覚が書いてあった。
  • 村上春樹おすすめ小説ランキング・ベスト9を超個人的に選んで語る。
  • イライラ解消に超効いた! "「怒り」がスーッと消える本" を詳しく紹介するよ。私自身の実践してみた結果も。
  • 【感想】小説版・原作『君の膵臓をたべたい』は、ライトノベルの強みを違う読者層へ提供することを狙った作品だと思う。
  • 【考察・感想】村上春樹『図書館奇譚(ふしぎな図書館)』は、なんと絵本にもなっている初期の名短編だ

【考察・感想】三島由紀夫『仮面の告白』『金閣寺』に、誰にも話したことのない自分の感覚が書いてあった。

言葉にならない想いが、美しく克明な日本語で。なんか安心した。

この記事では、三島由紀夫の『仮面の告白』『金閣寺』について熱く語ります。まだ読んでない方も、もう読んだ方にも。

とくに『仮面の告白』について、作中の文章を引用しながら、彼の文章がいかに優れているかということに注目して語っています。そして、夏目漱石太宰治との比較も行っています。作家や作品のガイド的にも読めます。


私が三島由紀夫を初めて読んだとき、今まで自分の中で好きな作家ランキングを考えると村上春樹が一番で、その他には、中島敦や太宰治がランクインしてくるのですが、その争いの中に三島由紀夫が突如として食い込んできたような気持ちになりました。

関連:【おすすめ・解説】中島敦「悟浄出世」「悟浄歎異」(わが西遊記) - 多様過ぎる考えの中で身動きできない現代人へ

三島の文章の言葉遣い自体はやや難しめですがその分内容は濃いし、時代背景を知らないと読みにくいということは全然ありません。むしろ読みやすい。

18/3/28 『宴のあと』について少し加筆


初めて読んだ三島由紀夫の作品は、『金閣寺』だった

私は初めて読んだ作品が『金閣寺』だったのですが、かなり序盤の(30ページくらい)、有為子という女性を待ち伏せするシーンですでに天才だと思った。自分に合う小説だと感じた。

『金閣寺』とは?

一九五〇年七月一日、「国宝・金閣寺焼失。放火犯人は寺の青年僧」という衝撃のニュースが世人の耳目を驚かせた。この事件の陰に潜められた若い学僧の悩み――ハンディを背負った宿命の子の、生への消しがたい呪いと、それゆえに金閣の美の魔力に魂を奪われ、ついには幻想と心中するにいたった悲劇……。31歳の鬼才三島が全青春の決算として告白体の名文に綴った不朽の金字塔。
金閣寺 (新潮文庫) [文庫]より引用)

内面の描写がすごく詳細で濃密で、自分も感じていたし他の多くの繊細な人たちも感じているだろうけど、うまく言語化されていなかったり、共有されていなかったりすることを鋭く描き出していて。これは『金閣寺』もそうだけど、『仮面の告白』にも顕著だった。同性愛的な意味ではなく。


文章表現が凄まじい。他のどの小説でも見たことない。名言多数。

そして、文章の表現力が凄まじくて。美しくて。こんな風によくも表現できるものだなと何度も思わされた。上述の『金閣寺』だと、お寺の匂いまでもが漂ってきそうだった。

例を挙げると、『仮面の告白』の、「主人公にとって色んな意味で気になっている女性との会話のシーン」より引用。

それから私たちは二言三言手持無沙汰な会話をした。私は全力をあげて快活であろうとし、全力をあげて機智ゆたかな青年であろうとした。しかもそういう私を私は憎んだ。
(p.134、新潮文庫、仮面の告白、三島由紀夫より引用)

これ超わかるんだけど。気になる異性にアピールするために、「全力をあげて快活・機智ゆたかであろうと」する。しかもそんな風に振る舞っている自分を「私は憎んだ」。

他人にアピールするためにいつもと違うような振る舞いをしてしまうんだけど、そういう自分の嫌らしさが憎くなる。気持ち悪いと感じる。超わかるし、1949年の小説にも同じことが書いてあると、なんか安心するというか、落ち着くような気持ちになる。

さらに例を挙げると、「主人公が14歳か15歳の頃に、20歳くらいの又従妹の姉ちゃんが主人公の太ももの上に頭をのせてきたシーン」です。

それっきりである。とはいえ自分の腿の上にしばし存在した贅沢な重みをいつまでも私はおぼえていた。肉感ではなく、何かただきわめて贅沢な喜びだった。勲章の重みに似たものだった。
(p.106、同上)

この「勲章の重みにも似たものだった」という表現がすごいなと思った。

その「重み」は、誰も彼もがいつでも感じられるありふれた重みではなく、自分と相手の関係が必要な重みであり、それを「勲章の重み」に似ているという言葉で表現するのがすごくいいと思った。続きを読む

村上春樹おすすめ小説ランキング・ベスト9を超個人的に選んで語る。

janko-ferlic-174927

この村上春樹おすすめ小説ランキングで紹介する作品は、全て自分で実際にていねいに読んでいます。村上春樹という作家は、この作品は人気があるとかじゃなくて、「自分にとってどうなのか?」ということがことさらに大事だと思う。

なので、自分で読んでみてどうだったのかということに焦点を当てて、「超個人的」に書いていきます。あと、「ハルキスト」という呼称が気持ち悪いと思っている層です。

どうもkonoha(@sdw_konoha)です。wikipedia:村上春樹によると、村上春樹は2017年11月時点で14作の長編小説を発表している。その中で、「国境の南、太陽の西」「スプートニクの恋人」「アフターダーク」以外の11作を読んだので、自分の中のランキングを書いていこうと思います。入門者・初心者向けかどうかも書いています。短編集もいくつか含まれます。


【ランキングの基準・性格】
  • どの時期の作品も好き。初期が好きとか、最近の作品が嫌いだとかは特にない。一人称が好きとか、三人称が好きとかもとくにない。どっちも好き。
  • 村上春樹の作品はどれを読んでも当たりはずれがなく、いつも一定以上の面白さを感じている(長編に限らず、短編もエッセイも翻訳なども)。他の作家、例えばドストエフスキーだと「罪と罰」は好きだけど「地下室の手記」は好きになれない、といった好みがあるけど。
  • 他の好きな作家は、太宰治・三島由紀夫(関連:三島由紀夫の代表作『仮面の告白』『金閣寺』に、誰にも話したことのない自分の感覚が書いてあった。)・中島敦(関連:【おすすめ・解説】中島敦「悟浄出世」「悟浄歎異」(わが西遊記))など。音楽も好きだけど、作中によく出てくるオールディーズはあまり聴かない。邦楽ロック邦楽ヒップホップが好きな人間が選んでいる。
  • 読んでいて単純に楽しいと感じられるストーリー、文章を読むこと自体が気持ちいい・癒されるという作品が好き。意味を”考える”ことが重要だとは思ってない。”感じ取る”ことが大事。
  • 1位~4位あたりまではほとんど差がなく、決めるのに悩みました。

それでは、ランキングと題しましたが、テレビみたいに煽ったりひっぱったりするのもされるのもしんどいと思っているので、1位から順に行きます。

18/3/17更新:「騎士団長殺し」「東京奇譚集」を追加
18/3/13更新:「海辺のカフカ」を追加

続きを読む

イライラ解消に超効いた! "「怒り」がスーッと消える本" を詳しく紹介するよ。私自身の実践してみた結果も。

aaron-blanco-tejedor-390113

ストレス社会、日本。こんがらがった人間関係や、複雑に絡み合って機能する言葉の刃、果てはゲームしてても不運にイラつく。

どうもkonoha(@sdw_konoha)です。私は割と怒りっぽいですが、ゲームしてて怒ることだけはあまりないという変な特徴があります。

さて、イライラして仕方ないという方も大丈夫、アンガーマネジメント(怒りの理解や管理、コントロール)という対処法があります。

アンガーマネジメントでもそれ以外でも思いつく限りの方法を試しましたが、私にはこの本のやり方が最も有効でした。

最近、イライラすることが多かったですが、だいぶすっきりしました。下手なことをして消耗したり散財するよりも、イライラ解消ならこの一冊でいいのではと思うくらい。

なので、紹介していきます。

もう、つまらないことでイライラしない。

怒っている人は「困っている人」、うるさいアドバイスは「相手の悲鳴」、ケンカするのは「役割期待」がずれただけ。

今すぐ心がほどけるヒント満載。「対人関係療法」専門の精神科医が贈る、「怒り」の取り扱い説明書。 (amazonより引用)


相手の暴言は心の悲鳴。

特に印象に残った重要部分について詳しく書いていきます。続きを読む

【感想】小説版・原作『君の膵臓をたべたい』は、ライトノベルの強みを違う読者層へ提供することを狙った作品だと思う。

自分のツイッターより、レビューと感想をまとめます。

続きを読む

【考察・感想】村上春樹『図書館奇譚(ふしぎな図書館)』は、なんと絵本にもなっている初期の名短編だ

『図書館奇譚』は、村上春樹の初期の短編集「カンガルー日和」に収録されている作品であり、絵本にもなっている(絵本と言っても、文章が中心で挿絵が多めという感じ)。

しかも創作意欲を刺激するらしく、2パターンの違う絵本になっている、絵本のタイトルは「ふしぎな図書館」(絵・佐々木マキ)と「図書館奇譚」(絵・カット・メンシック/ドイツ人)。しかも、小説の文章も複数のパターンが存在するという込み入った状態になっている。ただ、どれを読んでも面白いので問題はないww

ここでは、原作の小説『図書館奇譚』と、「ふしぎな図書館」(絵・佐々木マキ)の感想や考察について語ります。カット・メンシックの絵本版はまだ読んでません。佐々木マキ版はコミカルな感じの絵で、カット・メンシック版はダークで写実的な絵(後で)なので、両方読んでみると面白そう。

ふしぎな図書館 (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
2008-01-16


まず、『図書館奇譚』が収録されている初期の短編集「カンガルー日和」どんな感じ? <簡単な考察・感想>

初期の短編集だけあって、他の短編集や長編とはかなり雰囲気が違います。でも、頻出のモチーフはすでに登場しています。洋風な食事シーンとか、電話とか、不思議な感じとか、女の子との出会いとか、オールディーズな音楽とか、”羊男”まで。

全体を通じて、癖がない短編集です。よく言えば、他の村上作品がちょっと苦手、という方でもすっきりと読めそうな感じ。悪く言えば、薄味というか、物語を理解する手がかりに乏しいという感じもする。詩に近いような風合いもある。

文章はかなり読みやすいので、ここから村上春樹を読み始めるのも良さそう。他の作品だと癖が強くて反発しそうな方も、ここからなら受け入れてくれることが期待できそう。長編を読むのはしんどい方にも、「村上春樹ってこんな感じだろ?」ということがさくっと理解できるのでおすすめです。頻出のモチーフは出てくるので。

あと確か性的な表現がなかったと思うので、小学生くらいのお子さんに読ませてもいいかもしれないくらい。

カンガルー日和 (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
1986-10-15

続きを読む
書いている人
konoha
konohaTwitter

ゲーム・音楽・小説など、クリエイティブなものに触れていないと死ぬブロガー。(月間PV・アクセス数は約1.5万)

良かった作品の感想やレビューを、熱く・詳しく語ります。「攻めてる・本音の・繊細な・戦略的な」作品が好み。

自殺しそうになったので、もう頑張らないことにしました。ネットが友達。学校が嫌いだった。

仮想通貨もやってます。ETH/NEM/XPをガチホしてます。

その他、詳しいプロフィール

▼初めての方へ
多様なジャンルから、当ブログのおすすめ記事を29本厳選した。

ツイッター・読者登録などはこちら
▼ツイッター(つぶやき・ブログ更新通知)
twitter:@sdw_konoha

▼note(毒々しい自作小説・エッセイ)
note:@sdw_konoha

follow us in feedly


全力のおすすめ特集・まとめ
超厳選! 名作フリーゲームRPG 9選
過去数年間に遊んだ、200本以上の作品から!

実際に使って比較! ゲームや本をネットから売れるおすすめサービス 5選
その終わったゲームや本、ネットから簡単に売れますよ。高値が付くかも?

Steam おすすめゲーム 7選 低スペック可・安め
Steamで買えるゲームから、安くて低スぺでも遊べる作品をおすすめ。

超個人的・村上春樹作品ランキング
村上春樹フリークの私が選びました。本をあまり読まない方にも!

死にかけた人間が選ぶ! 邦楽・鬱ロック
何度も命を救われてきた名曲たちをご紹介。音楽は命綱。

カテゴリー
免責
当サイトに掲載されているスクリーンショットや紹介文等の著作権は各権利所有者に帰属しております。

当サイト及び外部リンク先のサイトを利用したことにより発生した、いかなる損失・損害についても当サイトは一切の責任と義務を負いません。

当サイトは投資の助言あるいは投資の勧誘等を行うものではありません。当サイトの仮想通貨などに関する情報は個人的な見解に基づくものであり、その正確性・有用性などについて保証するものではありません。閲覧者が当サイトの情報を利用したことで被ったいかなる損害についても当サイト運営者は一切の責任を負いません。投資は閲覧者自身の判断によって、リスクを十分に理解した上で自己責任で行ってください。