影絵の木の葉 ゲーム(特にフリーゲーム)/音楽/文学 等のレビューと感想

 "良い作品と出会い、より深く楽しむため" のレビュー、そして思い出を熱くお届け。

2015年09月

  • 『グスコーブドリの伝記』宮沢賢治の同名小説をもとにした短編ADV
  • 『引き裂かれたバダール』退廃的でカオスな世界を冒険するRPG
  • 『セカジカ』雪道(マップが無いダンジョン探索)の名作RPG
  • 『ぼくのすむまちVX 第1話』ノスタルジーあふれる小さな町が舞台の短編RPG
  • 第7回ウディコン感想:『■■■島』言葉が分からない状況から島の謎を解き脱出する短編RPG
  • 『セスタニアの迷宮』やりこみ要素の多いダンジョン探索RPG

『グスコーブドリの伝記』宮沢賢治の同名小説をもとにした短編ADV

WS000327おすすめ度:★★★
プレイ時間:2時間程度

宮沢賢治の同名小説(童話)をもとにした短編アドベンチャー。著作権が切れた名作文学をゲーム化するというアイデアがまずいいですね。

ゲームの主人公は「グスコーブドリ」という名の少年(略してブドリ)。イーハトーブの大きな森の中で生まれ、三歳年下の妹「ネリ」とともに、森を遊び場として幸せにすくすくと育っていた。父親は「グスコーナドリ」といい、あたりでは名高い木こりだった。

ところが、ブドリが10歳になった年にはじまった冷害で、事態は一変する。二年続きの冷害による飢饉の中、両親は二人の子どもを残して姿をくらませてしまう。さらに、妹のネリは籠を背負った正体不明の男に連れ去られ、ブドリは森の外れまで男を追いかけたものの、力尽きて倒れてしまう。(ベクターレビューより)
私は今まで宮沢賢治の小説を読んだことが無かったので、本作をクリアした後に原作小説(青空文庫)を読んでみたのですが、作者様が苦心されて実に見事にゲーム化されたのだなと感じました。特に印象深かったのが、ラストシーンです。原作だとラストシーンは短めの文章で余韻を残すような童話らしい描き方がされているのですが、本作では探索したり、戦闘シーンがあったり、回想があったりと時間感覚が長めになっています。ここは作者様の工夫であり、よい効果をもたらしていると私は感じました。また、作品世界を取り巻く豊かで美しい自然などもよく再現されていると思います。普段ゲームをしていてもなかなか体験できない独特の味わい深さがあるのでおすすめの一作です。
 
同じように宮沢賢治の同名小説をもとにして作られた蜘蛛となめくじと狸も続けてやっていきたいと思います。

本作のダウンロード 


注文の多い料理店 (新潮文庫)
宮沢 賢治
新潮社
1990-05-29

 

『引き裂かれたバダール』退廃的でカオスな世界を冒険するRPG

WS000317おすすめ度:★★★
プレイ時間:4~5時間

 「ドグマの箱庭」「引き裂かれたバダール」「アリスの標本箱」「ポイズン・セレクション」「シューニャの空箱」からなるドグマシリーズの作品。(私は『シューニャの空箱』→『引き裂かれたバダール』の順にプレイしました。)

 相変わらずの退廃的で神話的でエログロで猥雑でカオスな世界を冒険するのが楽しいゲームでした。喪男板的な要素も色濃く出ていたと思います。アイテムを取ったり人と会話すると、仲間が会話に入ってくるのが一緒に冒険している感が出ていていいですね。

 『引き裂かれたバダール』のテーマは「オタク文化」「もてない男性の苦しみ」「ブラック企業」「母と子」といったところだと私は感じました。

ダウンロード 

私のクリア時のパーティ(ネタバレ注意)
WS000323 バージルは、全体防御アップが使えて攻撃力が高いですが、主人公や源三のとくしゅ技のほうが強いのであまり使えないという印象でした。
 源三は、最初は燃費が悪くすぐMP切れを起こしますが、町にいるある人物に話しかけると技が強化されるので強くなりました。全体回復も強いです。
 イシュタムは、かわいいので入れました。雑魚戦では即死技が活躍しますが、ボス戦では蘇生以外空気でした。でも入れます!!



 


 「もはや現実の女に用はない。」と言い放つ本。なんとなく連想しました。私も発売当時に読みましたが、この著者の原点となる本らしいですね。懐かしい。

『セカジカ』雪道(マップが無いダンジョン探索)の名作RPG

WS000318おすすめ度:★★★★☆
プレイ時間:中編RPG

私がプレイした雪道(マップが無いダンジョン探索)ゲームの中では本作が一番好きです。VIPRPG作品ですが、VIPRPG色はありません。自作戦闘(FF2風)。

9種類の職業から4人パーティを作り、ひたすらダンジョンに潜る。ダンジョンではイベントが起き、強い敵と戦ったりレアアイテムを見つけたりします。

作者様によると「難易度は、サンドバック覚悟の最凶。夏の陣で一番 理不尽で難しいかも・・・」とのことですが、そんなに難易度が高いとは感じませんでした(ネットでも同意見の方を見かけました)。

私はRPGツクール2000のバグでクリア直前にデータ消失の憂き目に会ったので、このゲームに限ったことではないですがツクール2000のゲームをやる時は複数セーブをしておきましょう。
ちなみに、クリア直前のパーティは「おどりこ」「せんし」「まほうつかい」「そうりょ」でした。余談ですが、私は4人パーティだと「変わった職業」「ヒーラー」「ウィザード」「防御特化職」にしますね。

ダウンロード 

(2017/10/2、追記:この記事は昔に書いたので作品を語り切れていない部分が多いです。ダンジョン探索RPGをお探しの方は実際にプレイして選ぶ、やりこみ・ハクスラ系フリーゲームRPG 9選がおすすめ)


 

『ぼくのすむまちVX 第1話』ノスタルジーあふれる小さな町が舞台の短編RPG

WS000315おすすめ度:★★★
プレイ時間:45分~1時間程度
『ムンホイ』『アナザームンホイ』と同じ作者様のゲーム。第1話「いじめを吹き飛ばせ!」とあるが、それぞれ完結している。全6話。

作者様は「辛いときにプレイしてもらえるお守りのような作品」を目指したといいます。確かに主人公が小学生で、そんな目線でノスタルジーあふれる小さな町を冒険していると、ストーリーの魅力も相まって涙が出てきそうです。

戦闘もシステムはシンプルなものですが、入手経験値、お金、マップの味わい、ダンジョンのアイテムの配置等が絶妙で飽きさせません。

ただ、『アナザームンホイ』と比べると荒々しさが減ったので私はそこが少し物足りなかったですね(もちろん面白かったんですけど)。THE BACK HORNで言うと『ヘッドフォンチルドレン』以降の作品という感じ。ロックで言う初期衝動を消化し終わった後の作品という印象。私はTHE BLUE HEARTSでもファーストアルバム『THE BLUE HEARTS』が一番好きなので、初期衝動が現れている作品が好きなんでしょうね。

ダウンロード(ベクター)

THE BLUE HEARTS
THE BLUE HEARTS
トライエム
2011-01-12

ヘッドフォンチルドレン
THE BACK HORN
ビクターエンタテインメント
2008-09-03

 

第7回ウディコン感想:『■■■島』言葉が分からない状況から島の謎を解き脱出する短編RPG

WS000314おすすめ度:★★★☆☆
プレイ時間:1時間半~2時間

第七回WOLF RPGエディターコンテスト(通称ウディコン)で総合8位にランクインした作品。私は最近、総合1位から順に紹介を見ていって興味を持ったゲームをプレイしていますが、私は今のところ本作が一番好きです。(ちなみに、本作の作者様はこれが処女作らしいです。今後に期待)
 主人公「僕」が漂着した島から、言葉を覚え、島の謎を解きながら、脱出を目指すRPG。
特徴は言語レベル。初めはすべての言葉が「■■■」と表示されるが、言語レベル(4段階)が上がるに従い、意味が分かるようになる。
ED5種とおまけEDが3種あるが、各EDごとに最初からやり直す必要はなく、セーブデータからプレイすることで上位のEDに到達可能。(公式サイトより)

主人公は島に漂着し、わけもわからないうちに人間に襲われ、村にたどり着いても話す言葉がわからない(このわけもわからない感もまた楽しい)。語彙を増やし、言語レベルを上げ徐々に言葉を解するようになっていき、島の謎に迫っていくところが楽しかったです。エンディングは5種類ありますが、条件が示されており丁寧に誘導してくれる親切なところもGOOD。詰まった場合もゲームファイルに同梱されているヒントを見ればわかるようになっています。民間伝承な雰囲気も良い。
ただ、ウディコン公式のコメント欄でも言われていますが、特徴の言語レベルが序盤に上がりきってしまうのが残念な点ですね。部分しか分からない台詞から推理してイベントをこなしたり、ミスリードがあったり、身の毛もよだつような誤解をしてしまうなどの要素があればもっと嬉しかったです。

『■■■島』のダウンロード (16/10/16 リンク切れを修正。No.25が本作)

関連:カテゴリ「探索アドベンチャー」

サバイバルキッズ Lost in BLUE 2
コナミデジタルエンタテインメント
2007-03-15


 

『セスタニアの迷宮』やりこみ要素の多いダンジョン探索RPG

WS000308おすすめ度:★★★
プレイ時間:10時間~

ダンジョン探索RPGが好きな人はぜひやってみてください。最大5人のパーティが組め、7種類の基本クラスと9種類の上位クラスがあります。キャラクターのレベルを上げると二つ目、三つ目のクラスにつけるのでどんな風に育成するかを悩むのが面白いです。また、私はwizのようにアイテムが未鑑定な状態(「?短剣」など)で手に入るシステムが好きなので、そこも楽しかったです。ストーリー性は薄めです。


広大なダンジョン 
冒険の舞台『セスタニアの迷宮』は、地下深く広がり、まだ誰もその深部へ辿り着けていないという。 お気に入りの冒険者でパーティを組み、迷宮を制覇しよう! 
冒険者の作成 
プレイヤーはまず自分の分身となる冒険者たちを作成します。 冒険者はそれぞれ「ウォリアー」「ウィザード」など7つのクラスから1つを選択し、最大5人パーティを組めます。 異なる能力の冒険者でパーティを組み、迷宮を進もう! 
強力な上位クラス 
冒険者たちのレベルが上がってくると、2つのクラスの力を合わせた「上位クラス」に就くことができます。 上位クラスはそれぞれ特化した能力を持ち、それまでとは比較にならないほど強力です。 迷宮深部の強敵には、上位クラスの力で立ち向かえ! 
アイテム収集! 
迷宮内の宝箱を開けたり、敵を倒すと、アイテムを入手できます。 アイテムは最初、未鑑定の状態でそのままでは使えませんが、鑑定することによって装備できるようになります。 装備品はなんと 170種類以上! 強敵を倒して強力な武具を手に入れろ!! 
ミッションをこなせ! 
冒険者ギルドでは、ミッション(指令)を下されることがあります。 ミッション内容は、敵を倒したり、人助けしたりとさまざま。 ミッションをクリアして、報酬を手に入れよう! 
敵の視界に気をつけろ! 
迷宮内の敵シンボルは、視界の概念があり、うっかり敵の視界に踏み入ってしまうと気付かれてしまいます。 敵に気付かれないように、ゆっくり歩いて背後から襲ったり、そのままやり過ごしたり、と取れる行動は様々。 冒険者は正面から戦うだけじゃない!? (公式サイトより)
公式サイトのFAQ(攻略情報が充実しているので、つまったときにどうぞ)

(2017/10/2、追記:この記事は昔に書いたので作品を語り切れていない部分が多いです。ダンジョン探索RPGをお探しの方は実際にプレイして選ぶ、やりこみ・ハクスラ系フリーゲームRPG 9選がおすすめ)

私のクリア時の状況(ネタバレ注意)

WS000306WS000309

 
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