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せめて、音楽の癒しを。自分が聴いて救われた音楽をおすすめしたい。

下のもくじの、かっこ内のタグに気になるものがあればそのアーティストの項目を読んでみてください。とくになければ、もくじを飛ばしてスクロールして上から順番にどうぞ。内容は簡潔にまとめてあります。一部、すぐ聴けるMVもあります。

もくじ

  1. syrup16g(憂鬱・孤独・自己嫌悪・自分らしさ・優しいよどみの中に包まれるような感じ)
  2. THE BACK HORN(衝動的な怒り・憎悪・孤独・繊細で詩的な美しさ)
  3. THE BLUE HEARTS(反権力・自分らしさ・孤独・人間賛歌)
  4. 中島みゆき(独特の世界観・優しい感じ・人生の教訓)
  5. Miss May I(言葉にならない衝動的な怒り、叫び、混沌とした感情)
  6. さらに癒されるためのおすすめ
  7. <あとがき>:傷ついた人を応援したい

かっこ内は個人的な感想によるタグに過ぎないので参考程度に。「孤独」「寂しい」と一口に言っても様々な形があると思うし、「つらい」とか「憎い」「怒り」「悲しみ」と言っても様々な形があると思います。

また、この記事の目的にかなう要素をピックアップしているだけで、アーティストの全体をうまく要約しているわけでもありません。アルバムの中には、愛とか喜び、美しさというようなポジティブな要素も含まれていることがあります。


syrup16g(憂鬱・孤独・自己嫌悪・自分が嫌い・罪悪感)

(憂鬱・孤独・自己嫌悪・自分らしさ・優しいよどみの中に包まれるような感じ)

 私が人生で一番聴いているアーティスト。1st『COPY』から6th『delayedead』までは全ておすすめで、はずれなしなので選ぶのがとても難しいです。
  • アイデンティティ(自分らしさ)に関心がある方は、5th『Mouth to Mouse
  • (syrup16gの範囲内で)やや攻撃的な外向きの歌詞や音を求める方には、4th『HELL−SEE
  • アーティストの処女作には全てが含まれている、色んな要素の全部がほしいという方には1st『COPY
こんな感じでどうでしょうか。お気に入りの曲はかなりたくさんあるのですが、私の一番は「I.N.M」(『Mouth to Mouse』)で、別に記事も書いています([邦楽ロック] syrup16g「I・N・M」のレビューと個人的経験を交えた感想)。

 syrup16gは日常的なシーンが歌詞の中によく出てくるのですが、下記に引用した「Hell-see」(『HELL-SEE』)の一部分が好きです。「俺」はテレビの中に映る「彼女」とはかなりの距離を感じている、ということを「話もしたくはないわ」という唯一の共通点を挙げることで印象的に表現している気がします。
 まあ、別の「遊体離脱」(『coup d'Etat』)という曲では「最終回のドラマでボロボロに泣いた 思ってたより俺は単純なようだ」とも歌っているんですけどね。(私の文章の並びでは、まるで同じドラマについて歌っているかの印象を与えているかもしれませんが、違うアルバムの中の曲であり、そういう私の意図はありませんのでご注意を)

テレビの中では混み入った
ドラマで彼女はこう言った
「話もしたくはないわ」
そこだけ俺も同意した
(「Hell-see」より)

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THE BACK HORN 3rd『イキルサイノウ』

(衝動的な怒り・憎悪・孤独・繊細で詩的な美しさ)

 このアルバムは、THE BACK HORNの最高傑作だと思っています。怒りが心を支配しているという方には、とくにアルバムの中の「惑星メランコリー」「孤独な戦場」「ジョーカー」あたりの曲がおすすめです。私は後になって気づきましたが、実は他の曲もすごくいいです。
 ただただ黒い衝動をぶちまけるだけでなく、その世界観が同時に美しい。『人間プログラム』の1st trackの「幾千光年の孤独」を聴けばそれがよくわかると思います。
 別に記事も書いています([邦楽ロック] THE BACK HORN『イキルサイノウ』の個人的経験を交えた感想)。

 1st『人間プログラム』は言語化以前の混沌とした怒りや暴力性・破壊衝動、2nd『心臓オーケストラ』は決意表明、という感じでこちらの2枚もかなりおすすめです。『人間プログラム』の「ミスターワールド」の中の、「排水溝に詰まった 羽の折れた天使の 死体に精液をぶちまける」というような歌詞が書けるのは天才だと思う。4th『ヘッドフォンチルドレン』は色んなものを乗り越えた頃にどうぞ。

幸せな家族の風景、無理矢理口に詰め込まれ、
「好き嫌いはいけません」と、母は笑って言いました。
(「ジョーカー」より)

イキルサイノウ
THE BACK HORN
ビクターエンタテインメント
2005-08-24


THE BLUE HEARTS 1st『THE BLUE HEARTS』

(反権力・自分らしさ・孤独・人間賛歌)

 不朽の名盤。あらゆる権力的なものを却下し(誰かのルールはいらない 誰かのモラルはいらない 学校もジュクもいらない 真実を握りしめたい 「未来は僕等の手の中」より)、人間を肯定する優しさに満ち溢れている。
 2nd『YOUNG AND PRETTY』や3rd『TRAIN-TRAIN』もいいのですが、やはり1st『THE BLUE HEARTS』をおすすめしたい。4th『BUST WASTE HIP』は少し毛色が変わります。
 全曲好きなアルバムなのですが、とくに「少年の詩」について記事を書いています([邦楽ロック] THE BLUE HEARTS『少年の詩』を改めていま振り返る)。

世の中に冷たくされて 一人ボッチで泣いた夜
もうだめだと思うことは 今まで何度でもあった
(「終わらない歌」より)

THE BLUE HEARTS
THE BLUE HEARTS
トライエム
2011-01-12


中島みゆき ベストアルバム『Singles 2000』



(独特の世界観・優しい感じ・人生の教訓)

 「糸」「時代」のように、真剣に生きて歳を重ねた人にしか歌えないと思われる人生訓のような優しい曲もあれば、「地上の星」のように、神話の一場面のような荒涼としていてどこか寂しい世界観の曲もある中島みゆき。多くの人を励ます力があると思います。
 以下に引用した「ファイト!」の歌詞には、新しいことや人とは違ったことに挑戦する際に何度も助けられてきました。勇気づけられます。井上雄彦の漫画『リアル』(amazon)にも「笑いたい奴は笑え!」というセリフが出てきますね(こちらの漫画も非常におすすめ。「生きるとは」「自分らしさとは」というアイデンティティの物語だと思っています)。

ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
(「ファイト!」より)

Singles 2000
中島みゆき
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
2002-04-17


Miss May I 『At Heart』

(言葉にならない衝動的な怒り、叫び、混沌とした感情)

 メタルコア。MISS MAY Iの他のアルバムを聴いていないどころか、メタルコアの他のアルバムを聴いたことがないのに紹介してすみません。しかし、歌詞を重視するタイプの音楽には果たせないユニークな役割を担っていると感じたので挙げました。

 遠い記憶の中で誰かが言っていました。「問題を問いの形に出来たとき、すでに問題の50%は解決している」と。言葉にならない怒りや衝動、原因不明の混沌とした感情というものがあると思います。そういうものにフォーカスしたのがこういう音楽だと私は感じています。具体的な像を持たないからこそ、共有できる可能性が広がる。聴き方としては、歌詞を言語的に解釈するというより、クラシックのように音自体を楽しむものだと個人的には思っています。このジャンルの熱心な聴き手ではないので、見当はずれなことを言っていたらごめんなさい。

こちらの記事もおすすめ

At Heart
Miss May I
Rise Records
2012-06-12



さらに癒されるためのおすすめ

 私はこういう記事で、誰か一人でもいいので(もし一人に良い影響を与えることが出来たらそれは相当大きなことだと思う)、その人の気持ちを楽にすることを目指しています。それがこのブログを書いている大きなモチベーションの一つです。今の日本には、人を癒すことを掲げながら、実際に行われていることはその正反対、ということが多いと認識していますので。

他にも紹介したいアーティストがいます。音楽以外では、下記の小説等や、ニコニコ生放送(これはとくに好き嫌いが分かれそう。ただ、人を癒すつもりなんて全くない攻撃的な人が結果的に人を癒すということがあると思うし、少なくとも私は実際にそう感じている)がおすすめです。こういうものに触れるためにはある程度の余裕が必要かもしれませんが。

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傷ついた人たちを応援したい(あとがき)

(私はこの記事において、結局のところ、自分が聴いて救われた音楽をおすすめしたいと思っています。何らかの言葉や考えという類のものに疲れている方は、あとがきは読み飛ばすことをご検討ください)

この記事を目にするまでに、色んなものにうんざりしてきた人も多いのではないでしょうか。

私はこういうタイトルの記事を読んでくれている方のことを良く理解していないのに、「正義感」に駆られて、上から目線でわかったようなことは言いたくありません。そういう人って「優しい自分」「正しい自分」「立派な自分」に酔いたいだけで、その言葉は上辺だけの薄っぺらいものであることがあまりに多い。

少し疑問や異議を提示すると態度が豹変し、偽物の笑顔はもろくも崩れ去り、ついさっきの自分の発言が嘘だったということを自ら露呈する、という場面を何度も見てきました。

そういう人たちの中には、「自分が正しかったり優れているのであって、苦しんでいる人は間違っていたり未熟である」という判断や信念といったものが潜んでいます。

また、真剣に苦悩している人に対して、チープなご機嫌取りをしたり、「気の持ちよう」のようなことを説くのは侮辱であると思います。欲望や射幸心、恐怖心を煽るというようなことも同様。

もちろん、本当に立派で尊敬されるべき人もいると思います。そういう人に出会えた方は幸運であると思います。

このブログは主にフリーゲームのレビューをしたり感想を書き連ねていくという内容ですが、そういう記事を書いていて実感として気がついたことがあります。

それは、「作品にも人にも、それぞれの良いところと悪いところがある」ということです。 それなのに、まじめに作られたあるゲームの悪い点ばかりを列挙して、それがこの作品の全てだという内容の記事を書いたとしたら、まともな見識を持った人間は誰もその意見を支持しないことでしょう。

もちろん人間だれしも好き嫌いはありますが、そういう感情の短絡的な表明が作品の全体をうまく言い表している、ということは基本的にないと思っています。

人間も同じだと思います。誰しも完璧ではなく、長所と短所がある。それなのに、短所だけを列挙して、それがお前という人間のすべてだという、偏見に満ちた決めつけは間違っています。

このページを見ているあなたも、そんな未熟な人物批評を受けた経験があるのではないでしょうか。しかしそういう批評こそが害悪で間違っているのだという立場を私は明確にします。

また、短所としか思えないことも実はそうとも限らないのではないかと思っています。例えば、仏教の経典に「青色青光」という言葉が出てきます。その意味はこのようなものだと読み取れます(参考:ひろさちや『がんばらない、がんばらない (PHP文庫) 』←癒されます。これでいいんだって思えました)。

仏の国では、青い蓮の花は青い光を、黄色い花は黄色い光を、赤い花は赤い光を、白い花は白い光を放っている。これを人間に置き換えると、それぞれの個性による違う色の光を放っている。明るい人も、内気な人も、頭のいい人も、頭の悪い人も、努力家も、怠け者も、激情家も、冷静沈着な人も、それぞれ違う美しい光を放っている。

「死にたい」というワードはとてもデリケートで私には荷が重すぎるし、適当なことは言いたくないのでタイトルから外しておきました。  私が「喉元過ぎれば熱さを忘れる」的な状態に陥っていて、この記事で不快にさせた方がいたなら申し訳ありません。私も短所を持った人間の一人です。 本記事を第一稿として公開しましたが、まだ加筆修正したいのでベータ版とさせてください。


  
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この記事を書いた人

konoha  konoha/コノラスTwitter [つぶやきと更新通知]note [喜怒哀楽に全力な日記]

 「良い作品と出会い、より深く楽しむためのレビュー・批評、そして思い出」を発信しているブロガー。好きなゲーム・音楽・文学などを全力で語る。嫌いな言葉は「明るく」「協調性」「頑張る」。学校が嫌いだった。近頃はnoteで、過去の重い話や好きなことで生きていくための歩みを書いている。

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