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 本記事では、主に匿名掲示板やニコ生におけるスカイプ等の一対一での煽り合いについて、表題の通り扱いたい。煽り合いは、譲れない何かが衝突した時、嫉妬、周囲への自分の優位性のアピール、煽り自体が目的となっているような愉快犯、プロレス的に場や会話を盛り上げる目的など、色んなシーンで発生する。なお、本記事はあまり本気にせず、娯楽的なものだと受け取ってもらいたい。

初心者が無意識的に使いがちな「防衛重視型」

 まず、主に初心者が無意識的に用いる作戦が「防衛重視型」である。これは自分に対する相手の煽りに対して正面から反論したり異議を唱えることを中心に据えた作戦である。これは常に自陣(人格や見識、ゲームの上手さ等)が戦場となり、相手の攻めになかなかリスクを与えられないので作戦負けに陥りやすいと思われる。しかし、上級者が意識的に用いる場合も存在する。それは相手の攻めに対して、自分の守りが(論理的・実績的に)鉄壁でありかなりの差がついている状況でその大差を生かしたり、自らの正当性を強くアピールする目的であることが多いように思われる。相手の長所を引き出し全て受けきった上で、自分がさらにその上を行くような横綱相撲的なものを連想させる。

具体例

A:やっぱりきのこの山って最強だよな。持ちやすいし
B:「持ちやすい」ってなんだよ。味には関係ないだろ
A:持ちやすいことも長所の一つだろ
B:お前の言う最強には味が大事じゃないってことはわかったよ

現状有力な作戦か?「反撃重視型」

 二つ目に挙げる現在有力と目され頻繁に用いられている作戦が「反撃重視型」である。これは上述の「防衛重視型」の最大の弱点は相手の攻めに対してリスクを与えられないことであるので、そこをケアしたものであると思われる。この作戦では、相手の発言に対してその内容について正面から反論するのではなく、心理的な「発言の意図」に注目して反撃を行っていくことを中心に据えている。このことによって相手の攻めにリスクを与え、いわば後の先を取るような、相手の攻め駒を攻めるような、攻め合いの形に持ち込む事が出来る。現在のポストモダンの時代においては、誰もが認める「絶対的なもの」を提示すること自体がそもそもとても難しいので(「神は死んだ」。どんな理論・どんな人間にも弱点はある)、相手との「比較」において自分のほうが優位である、ということを主張していく作戦である。

具体例

A:やっぱりきのこの山って最強だよな。持ちやすいし
B:「持ちやすい」ってなんだよ。味には関係ないだろ
A:お前たけのこ派か?たけのこは手で持つとチョコで汚れるし箸でもつかみにくいもんな
B:大事なのは味だろ。お前はきのことたけのこではチョコが違うってことにも気づいてないんだろうな
A:逃げるなよ。持ちやすさについては負けを認めたってことでいいんだな?

過去の遺物か。復権はあるのか。「速攻型」

 最後に挙げるのは、現在では廃れているというような感触を覚えるものであるが「速攻型」である。これは黎明期のニコ生の喧嘩凸(要はスカイプで口論する)等において流行していた作戦であるらしく、上述の「反撃重視型」のような相手に後の先を取らせずに一気呵成に攻め切ることを目標としているものである。具体的には一方的にまくし立てて相手に発言の機会を与えないというような行動を取るわけであるが、これはうまく攻めきれず相手に軽くいなされてしまうと、こちらのカードの多くを早々に切ってしまい手の内を明かしているので劣勢に陥る場合が多い。カードゲームにおけるアグロデッキのようなものだ。また、通常「軽くいなす」という行動は「根拠に乏しい主観的な決めつけ」や「反論に窮して論点をずらして個人攻撃にシフトする」のような行為のように、傍から見ているものに対して劣勢の印象やさらには敗北宣言としてすら受け取られかねないが、このケースにおいてはうまく力を発揮しているように感じられる。

具体例は省略。文字でやる場合は、少し違う気もするけど連投荒らしとかになるのだろうか。

ゴルギアス (岩波文庫)
プラトン
岩波書店
1967-06-16

 「煽り合い」とは明確に区別される、もっと冷静でまじめな議論の方法については紀元前の古代ギリシアにおいて既に優れた探求が行われている。『ゴルギアス』は、「弁論術について」という副題が付いているプラトンの初期の対話篇(登場人物のセリフを中心にして話が進んでいく形式。現代でいうと二次創作小説のSSみたいなイメージ)。たいていの哲学書は難解過ぎて私のような特別の資質を持たない人間にはあまりよく理解できなかったが、古代ギリシア哲学は明快かつ深遠なので入門にもおすすめ。
 弁論術や政治、善悪の問題は当時のアテナイ(中心部にパルテノン神殿がそびえる古代ギリシアの都市国家)だけではなく、現代においても通ずるものが多いと感じる。本書では、"ソクラテスによって、弁論術が「技術」(テクネー)と呼べるようなものではなく、「政治術」の中の「司法・裁判」に寄生し、「快」を餌に人々を釣るだけの「迎合」(コラケイアー)であると指摘される。それは、「魂」を善くしたり、その不正を取り除くことに貢献せず、むしろそれらを覆い隠してしまうものである旨が言及される。"(wikipediaより引用)
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konoha  konohaTwitternote

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