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プレイ時間:30分程度2011年に行われたVIPRPG電波祭りのノベル作品。「電波」という言葉は思考停止の響きを感じるので、作品を形容する目的で使うことには若干の抵抗がありますが、あえて言うならこの作品は電波を受信しています。
記憶喪失の主人公、謎の施設で暮らす5人の常識的な思考が通じない同居人達、職員が提供する妙な食事…。そして彼らが話す言葉や行動は、支離滅裂というか、合理性を持たないというか、同じものを見ているようで違うものを見ているというか……平たく言うと実に「電波」なんですよね。
しかもその電波な内容は、常識人が電波の振りをして作ったのが見え見えな取ってつけたような表層的なものというよりは、何か深層的なものとの繋がりがあるように私には感じられました。それがこの作品の面白みを大幅に増しているのではないかと思います。
さらに、本作は演出面にも光る部分があります。特に選択肢が印象的で、一話ごとに挿入される十字架にかけられた謎の人物のシーン(右の画像)で選択肢を選んだ時の演出が秀逸だと感じました。また、途中で挿入される剣と盾のシンプルなゲームも、そのシンプルさゆえに登場人物の思考が浮かび上がってくるような気がして印象的でした。
ただ、それだけ光るところがあるだけにラストシーンで明かされる真相は衝撃的ではあるのですが、提示の仕方があっさりとしていたのが気になりました。しかし、総合的に考えて面白いといえる独特な作品だったと思います。
『いただきます』のダウンロード(VIPRPG@Wiki)
ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)
(こういう形容は適切とは言えないが)電波繋がりで。"三大奇書"(wikipedia)の一つにも数えられ、私も十代の頃に一度読んでこれを機に青空文庫で再び読んでいるのですが、やはり形容するのが難しい。でも面白い。主人公は記憶喪失の状態で精神病棟の一室で目覚め、謎の実験への参加を促される。作品を覆う不気味で薄暗い雰囲気。そして、『ドグラ・マグラ』の作中に『ドグラ・マグラ』が登場するというメタ的な表現も気になる。
今日のひとこと
steamで買ったFF10-2 HD Remasterをやり始めました。私はFF10のスフィア盤の前で30分以上の長考をするのが楽しい人間です。スポンサーリンク