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やっぱり鬱ロック。癒されるシロップの名盤を歌詞から全力で語る。

鬱ロック。愛だの恋だの夢だの歌われても響かないし、そんな曲ばっかで食傷気味ですね。syrup16gの他には、THE BACK HORN、ART-SCHOOLがよく挙げられるようです。

私は頭がおかしいほどsyrup16gを聴いていますが(後述)、その中でもおすすめのアルバムをレビューします。シロップのアルバムの出来は安定していますが、『Mouth to Mouse』や処女作『COPY』が良いと思うので、レビューをしています。

あとは『coup d'Etat』もかなり良い。これについても書きたいけどまだ書けてない。『HELL-SEE』や『syrup16g』、再結成後のアルバムははじめての方へは勧めにくいです。これらは後で聴いた方がいい。

さらに、ライブビデオ『the last day of syrup16g』の神秘的で違う世界に来たみたいな感じとか、シロップのライブのノリについても語ります。


もくじ
  1. アルバム『Mouth to Mouse』がおすすめ。
  2. シロップ至高の処女作、『COPY』もいい。人気曲・有名曲の「生活」も。
  3. ライブビデオなら「the last day of syrup16g」。他のアーティストとは違い、静かなノリ。

↓「続きを読む」から、復帰後に公開された「生きているよりマシさ」のMV。く、暗すぎる…。だがそれがいい。不思議と落ち着く。


 


『Mouth to Mouse』がおすすめのアルバム。

Mouth to Mouse【reissue】
syrup16g
DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT
2010-10-27


『Mouth to Mouse』。syrup16gのアルバムは安定して出来がいいものが多いです。私はsyrup16gを尋常じゃない回数(とくに好きな曲は1000回以上)聴いているけど、このアルバムが一番好き。全部好きだけどね。超おすすめです。初めての方にも。

中でも「I・N・M」が一番好きなので、別の記事も書いています。

関連:【名曲レビュー】syrup16g「I.N.M」を歌詞から全力で語る

この曲に加えてさらに、自分らしく!という歌なら、他にはトラック4「パープルムカデ」が収録されています。「好きなものは何 好きな人は誰」「ただの名も無き風になれ」という歌詞があります。評価が高い曲です。

また、syrup16gには私小説のようにも思える日常的な歌詞が多いのですが、トラック13「ハミングバード」はそういう曲です。”苦しんだ割には 実りは少ないな 缶チューハイを 今夜も2缶開けました”と歌われます。なんか静かな叙情にしみじみとしてきます。

あとはトラック2の「リアル」も鋭くてかなり存在感あります。「命によって俺は壊れた」。いつか終わることは恐怖だけど、希望でもある。「パープルムカデ」もそうだけど、「リアル」も人気のある有名な曲で、ライブでも良く歌われています。

私は歌詞重視で音楽を聴く人間で、音楽性について言葉にするのはあまり得意ではないのですが、どこか優しくて、こなれていて、ユニークであることはわかります。独特の世界観に引き込まれる。ただただ聴いていて気持ちいい。癒される。


シロップ至高の処女作、『COPY』もいい。人気曲・有名曲の「生活」も。

Mouth to Mouseをもう聴いていたり、他のアルバムを探している方には処女作の『COPY』がおすすめ。

COPY
syrup 16g
UK.PROJECT
2001-10-05


ロックアーティストの1stアルバムにありがちな荒削りな感じはあまりせず、最初から完成度が高い。すでに世界観が確立されている。syrup16gの楽曲の中でもとくに評価が高く有名な「生活」も、トラック3に収録されている。

トラック1の「She was beautiful」の冒頭のイントロからもう世界観に引き込まれる。深海に響くような音がする。これ、ライブの真っ暗な空間で聴くとさらに良いです(後述)。

そしてトラック3の「生活」。有名な曲で、この曲からsyrup16gに入った方も多いのではないでしょうか。”君に言いたいことはあるか そしてその根拠とは何だ 涙ながしてりゃ悲しいか 心なんて一生不安さ
安っぽい感動なのか何か知らない涙を流している、見知らぬ人たち。本当に悲しくて不安だとそんなんじゃない。そして「そこで鳴っているのは 目覚まし時計」。もう残酷な朝が来てしまったのか。

トラック4の「君待ち」。すごく感傷的というか、何とも言えない気持ちになる。大事なものを共有したあの人が、遠いどこかへ行ってしまうかのような。”真理なんてデタラメ 勇気なんて出さないでくれ


ライブビデオなら「the last day of syrup16g」。他のアーティストとは違い、静かなノリ。

ライブビデオなら、一時的に休止する前の最後のライブの「the last day of syrup16g」が最高だった。

the last day of syrup16g [DVD]
syrup16g
UNIVERSAL SIGMA(P)(D)
2008-05-28


3時間超の長丁場だけど、30回以上は通しで観ました。syrup16gのライブの特徴は、まず照明が暗い。そして他のアーティストとは違い、ノリノリという感じではなく皆が固唾をのんで見守っている。どの曲もすごく神秘的な風合いを帯びてくる。違う世界に来たような感覚になる。

この空間で演奏される「She was beautiful」「きこえるかい」も最高だし、「落堕」「真空」のような激しい曲も、アルバムとは印象が全然変わってくる。すごく生き生きしている。もちろん「生活」や「神のカルマ」のような人気曲もいい。

好きなアーティストでもライブのノリはあんまり好きじゃない、という方にもおすすめです。私は「生還」ライブに行きましたが、やっぱりライブもいいです。他のアーティストだと曲は好きだけどライブのノリが個人的にあまり好きになれないことも多いですが、シロップは良かったな。


以上、お付き合いありがとうございました。全てのアーティストの中でsyrup16gが一番好きなので、まだまだ語り足りないけど。また折に触れてシロップ記事書きます。

今のところ、シロップ関連だとこういうのも書いてます。


この記事を読んだ方へのおすすめ:鬱な邦楽ロックの歌詞を語る


  
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この記事を書いた人

konoha  konoha/コノラスTwitter [つぶやきと更新通知]note [喜怒哀楽に全力な日記]

 「良い作品と出会い、より深く楽しむためのレビュー・批評、そして思い出」を発信しているブロガー。好きなゲーム・音楽・文学などを全力で語る。嫌いな言葉は「明るく」「協調性」「頑張る」。学校が嫌いだった。近頃はnoteで、過去の重い話や好きなことで生きていくための歩みを書いている。

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