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(現役DQ10プレイヤーにとっては不快な記事だと思われます。また、これは一つの私見です。事実というものは解釈の多様性があると思います。芥川の『藪の中』で描かれているように)

ドラクエ10に触れる

私はDQシリーズは1~9まですべてプレイ済みである。なのでMMORPGはあまり好きではないのだが(レベル上げや他人とのコミュニケーションがあまり好きではない。人間としかできない協力・対戦の要素は好き)、10に手を出すのも自然な流れだった。

当時(2016年9月現在は末期的な状況)、国内最大級の人口を誇り、ニコニコ生放送などの各種コミュニティでも大きな話題となっていた。私はキングヒドラ実装あたりから休止を挟んでレグナード(要はめっちゃ強いボス)がエンドコンテンツの頃までプレイしていた。プレイ時間は1000時間強ほど。これはDQ10プレイヤーとしてはおそらく少ない数値。毎日やり続けている人は一万時間を超える人も全く珍しくない。

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楽しかったドラクエ10の1000時間

結論から言うと、DQ10は楽しいオンラインゲームだった(過去形)。特に発売日からやっている人からは光り輝くような思い出を聞かされることも珍しくなかったし、私もフレンドやチームメンバーとの思い出に心ひかれる。

途中までは夢中になってプレイしていた。ネットゲームの中毒性ゆえか、不思議とほかのゲームはあまりやらなくなりDQ10内のキャラクターを育成したり、資産を増やすこと以外の行動があまり価値のないことのように錯覚し、その優先順位が次第に下がっていった。「こんな人生でいいのか?」とは思わなかった。

では何が問題だったのだろうか。

なぜ息苦しいのか、なぜ引退したのか

それは運営が「新しい遊びを高難易度という形でしか提供できなかったこと」だと私は感じた。私は最強レグナードまで倒したが、正直レグナードは楽しくなかった。それはレグナードというボスがつまらなかったわけではないと思う。原因はプレイヤーサイドにあったと思う。

レグナードは高難易度であるため(と言っても、他のゲームと比較すればそれほどでもないと思う)、クリアできる人とできない人に分かれる。これはそれまでのDQ10コンテンツではそれほどなかったことだ。そして、最強レグナードをクリアすると「称号」が手に入る。

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「称号」はキャラクターの強さには全く影響を与えないのだが、野良でパーティを組む時に最大級の判断材料となる。端的に言えば、最強レグナードをクリアしていない人は「下手」とみなされ、誘われにくくなる。

DQ10をフルに楽しもうと思えば他人とパーティを組まないとクリアすることが困難なコンテンツを避けては通れない。そしてDQ10の要パーティのコンテンツの特徴は「参加するためにコストがかかる(ゲーム内マネーの消費)」「時間がかかる同じコンテンツの周回」のどちらかあるいは両方であることが多い。

なので「下手」な人と組むとゲーム内マネーを無駄に消費したり、時間が無駄にかかることになる(もう何回もやっているコンテンツなので無駄としか感じられない)。なので「下手」な人と組むことを皆嫌がる。その確率を少しでも減らすために最強レグナードを倒した「称号」があてにされる。

そのことによってどんなことが起こるだろうか。それは「称号」持ちと持たない人にDQ10プレイヤーは二分される。「称号」持ちは「称号」を持たない人とプレイすることを避け、見下している人が多い(もちろんそんな人ばかりではない。しかし、野良中心でプレイしていた私は嫌な人を見過ぎた…)。

「称号」を持たない人はコンプレックスを感じ、近頃のDQ10の批判に走ることもある(もちろん、自分のペースで楽しんでいる人もたくさんいる)。冷静に考えれば、DQ10の上手い下手なんて、それで人間やその能力を判断するほど重要なことではない。プロゲーマーでもあるまいし。しかし、費やした膨大なプレイ時間、ネットゲームの中毒性ゆえにそうは思えなくなってくる。私もそうだった。


しかし、ゲーム自体が面白く、運営が新しい遊びを提供し続けていたら状況はまた違っていたかもしれない。残念なことに、当時DQ10のアップデートはひどく滞っていた。プレイヤーたちは同じ作業の繰り返しにストレスがたまっていた。そのことも「称号」ヒエラルキーの形成に一役買っていたと思う。

こういう事情もあってか、プレイヤーたちは「エンジョイ勢」を自称し、高難易度コンテンツやプレイヤースキル(といっても移動・コマンド・ジャンプしかないRPG。格ゲーやカードゲームのようにプロもいない。しかし異様に重要視される)に興味がないという風にふるまうか、「下手」と思われることを極端に恐れ、お互いの行動を監視し裏や表で罵倒しあう「悪夢のような戦いに身を置く」かの二つに一つを迫られた。


しかし、選択肢はよく考えるとそれだけではなかった。第三の道があった。「引退」である。

かなり多くのプレイヤーはこの選択をした。私もそうした。今残っているDQ10プレイヤーは、心の底からドラクエを愛している層と、費やした膨大なプレイ時間故にDQ10内でのヒエラルキーと自らのアイデンティティの結合が進み、後戻りできなくなっている層(FF14でいう「テンパ」的な存在。とても攻撃的でこわい。)が多いと感じている。ここまで読んでいただいた方には言うまでもないと思うが、今さらDQ10をやることはおすすめしない。


そしてDQ10を引退した後にやるオフラインゲームはとても自由で楽しかった。自分の行動・選択をいちいち監視・評価されず誰に気兼ねするわけでもなくやるゲームはこんなに楽しかったのかと再確認した。

もうこれから私はオフラインゲームか、「他人と協力することがなく一対一で戦うオンラインゲーム」(格ゲーやカードゲーム)しかやりたくない…。なんでゲームであんなにも人の目を気にしてストレスをためないといけないんだ…。村社会かよ。



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